2019年6月25日(火)

広島、サッカー場候補地の基町 まちづくり方針 市が説明
環境不安と活性化期待 交錯

2018/6/25 20:03
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広島市内のサッカースタジアム建設について広島県、広島市、広島商工会議所は24日、候補地のひとつである市中心部の基町(もとまち)地区で住民説明会を開いた。約240人の住民が参加した。市がまちづくりの将来像を示したうえでスタジアムの建設イメージや生活の場を確保することなどを説明した。住民からは生活環境が変化することに不安を感じるとの意見が出た。

基町地区住民説明会には約240人の住民が参加した(広島市の基町小学校)

住民らでつくる「基町の明日を考える会」の徳弘親利会長らが2月に広島市の松井一実市長を訪れて「オープンな住民説明会」の開催を求めていた。市は基町地区を「広島の戦後復興を支えてきた街」から「広島のさらなる発展をけん引する街」に大きく転換し、市が責任を持ってまちづくりに取り組むとした。

24日は午後2時から1時間余りにわたり市が説明。谷史郎副市長が基町地区のまちづくりの将来像と、基町地区がサッカースタジアムの候補地に選ばれた経緯を話した。

県と市、商工会議所の3者は一時、建設候補地を広島みなと公園と旧市民球場跡地の2つに絞り込み、みなと公園が優位としていた。しかし、みなと公園は物流への影響があること、旧球場跡地は景観の高さ制限を守るため建設費が割高になることから2つに絞る前にあった基町地区の広島中央公園の広場案を、建設候補地のひとつとして位置づけ直していた。

政氏昭夫市民局長はスタジアムを整備したときのイメージや、騒音や交通渋滞、防災機能の向上について説明。市営住宅が隣接するノエビアスタジアム神戸では生活環境への影響は大きな問題になっていないとした。

午後3時すぎからの質疑応答では、15人の住民から意見や質問が出た。スタジアム建設候補地を巡っては、憩いの場である広場が減ることや道路渋滞への懸念、建設候補地に再浮上して方向転換したことを問う声が上がった。賛成者からは「(稼働率の低い)基町ショッピングセンターの繁栄につながるように」との声が上がった。

広島市は2013年7月に策定した「基町住宅地区活性化計画」を19年度に改定する。課題である若年層の入居を促す。公営住宅の入居条件を緩和し、若年家族5世帯、学生5人が住む現状を55世帯にまで引き上げる。

明日を考える会の徳弘会長は「将来のまちづくりについて多く示されたことは感謝しているが、スタジアムで基町の生活環境が激変するのではないかという不安がある。ノエビアスタジアム神戸の視察も含め、明日を考える会として行政と調整を進めていきたい」と話した。基町連合自治会の瀬戸口寿一会長は「今日の説明会がスタートだ。何回も議論する覚悟だ」と話した。説明会は予定を30分超える午後4時30分頃に終了した。

基町地区は中高層の市営アパート約3500戸で構成し高齢化率も5割近くに上り、自治会役員らの危機感は強い。「地域全体の活力が低下している現状を鑑みれば市の前向きな姿勢をうかがえたのは安心材料」(徳弘会長)。ただ、スタジアム構想で地元住民と調整をつけられるかは予断を許さない状況だ。

(広島支局 後藤健)

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