2018年10月22日(月)

JTB、豪華客船1000室「五輪限定ホテル」に
1泊30万円も

2018/6/25 14:00
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JTBは25日、東京五輪期間中に横浜港に停泊する大型クルーズ船をホテルとして活用すると発表した。約1000室で延べ3万6000人の宿泊を見込む。五輪に向けホテル不足が予想されるなか、東京や千葉などでも客船を活用する「ホテルシップ」の誘致が進む。大型イベントで一時的に膨らむ宿泊需要を取り込むだけでなく、ホテルの供給過剰を防ぐ新たな手法として定着する可能性がある。

「五輪期間中の宿泊施設不足の解消につながる。ホテルシップ自身もユニークな施設として活用が期待できる」。記者会見でJTBの高橋広行社長はこう述べた。

報道陣に公開された「ダイヤモンド・プリンセス」のプールデッキ(25日午前、横浜市中区)

報道陣に公開された「ダイヤモンド・プリンセス」のプールデッキ(25日午前、横浜市中区)

米クルーズ会社の客船「サン・プリンセス」が東京五輪の開会式前日の2020年7月23日から8月9日までの間、横浜市内の山下ふ頭に停泊する。約1000の客室数は帝国ホテル東京とほぼ同規模。複数のレストランやプール、劇場などあらゆる設備を備えるクルーズ船を、「期間限定の高級ホテル」として活用する。

2泊3日から予約が可能で、1室2人利用の場合、1人1泊3万~30万円程度。利用者は船内で食事をとれるほか、ショーの観覧やプールの利用など手軽にクルーズが体験できる。

報道陣に公開された「ダイヤモンド・プリンセス」のアトリウム(25日午前、横浜市中区)

報道陣に公開された「ダイヤモンド・プリンセス」のアトリウム(25日午前、横浜市中区)

■東京や千葉でも誘致

東京五輪でサッカーや野球などの競技会場となる横浜では、観客や関係者の受け皿が課題となっていた。16年のリオデジャネイロ五輪や12年のロンドン五輪などでも選手や観客の宿泊地として使われてきたホテルシップの誘致により、新たにホテルを建設することなく宿泊客を呼び込める。

17年の訪日クルーズ旅客数は前年比27%増の253万人、クルーズ船の寄港回数は前年比37%増の2765回となりいずれも過去最高を記録した。クルーズ船は寄港地を中心に一度に多くの観光客が訪れるため、経済波及効果が大きく誘致合戦が熱を帯びている。

林文子・横浜市長は記者会見で「クルーズ人気を押し広げる絶好の機会。ホテルシップを通して客船の魅力に触れてもらいたい」と期待を寄せた。クルーズ船寄港地として世界にアピールできるホテルシップは横浜のほか東京や千葉、川崎などが誘致の準備を進めている。東京都はスイスに本社を置く欧州最大手の船会社を運営事業者に選定。約1000室の客室を持つ大型客船を東京港に停泊させる計画だ。

ホテルシップの解禁に向けて、国も規制緩和を進めている。

旅館業法では客室に窓を設置するよう規定している。クルーズ船には窓がない客室が一定数あり、ホテルシップとしては従来はすべての部屋を使えなかった。この規制について、5月に厚生労働省がイベントの開催期間に限って各自治体の判断で窓がない部屋でも営業を認める通知を出した。このほか排水処理やごみ処理方法も自治体ごとに整備する。

■東京で3500室不足

ホテルシップは五輪に向けたホテル不足を解消する「特効薬」としての期待も集まる。政府は20年に17年比で約4割増となる4000万人の訪日外国人客数を見込んでいる。さらに五輪期間中は観客や関係者など1000万人の来場者が予想されている。不動産サービス大手のCBRE(東京・千代田)は20年時点で東京だけで宿泊施設が3500室ほど不足すると予測する。

特に足らないのが高級ホテルだ。20年に森トラストが誘致する高級ホテルが、22年には東京駅前にブルガリホテルができる。虎ノ門や赤坂の再開発でも外資系高級ホテルが入る見込みなど参戦が相次ぐ。

その一方、今月解禁された民泊の市場拡大もあり、五輪後はホテルの供給過剰懸念も生まれている。ホテルシップは期間限定で利用するため、一時的に急増する宿泊需要を効率的に吸収できる。客船のスタッフをそのまま活用できるため、人手不足のリスクも減らせる。JTBの高橋社長は「展示会などのMICE(マイス)での活用も検討したい」と意気込む。五輪での活用を機に、大規模なスポーツ大会や国際会議などでの新たな手法として定着する可能性もある。

(長尾里穂)

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