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西武・今井が歩む道 禍福はあざなえる縄のごとし
編集委員 篠山正幸

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2018/6/26 6:30
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若い人にとって、順風満帆であることが、いいことなのかどうか。右肩痛などの経験をバネにし、プロ初登板、初先発で勝利を飾った西武の2年目、今井達也(20)のデビューに、「禍福」が交互に巡る人生の不思議を見る思いがした。

ヤクルト戦でプロ初登板勝利を挙げ、辻監督(左)と握手する今井=共同

ヤクルト戦でプロ初登板勝利を挙げ、辻監督(左)と握手する今井=共同

2016年夏の甲子園、栃木・作新学院のエースとして優勝投手になった今井は楽天・藤平尚真(横浜高)、広島・高橋昂也(埼玉・花咲徳栄)、ヤクルト・寺島成輝(大阪・履正社)の3投手とともに「高校ビッグ4」と呼ばれ、同年のドラフト1位で入団した。

「ビッグ4」でしんがりの1軍

藤平は1年目の昨季、勝ち星を挙げ、高橋昂、寺島も順調にデビューするなかで、今井はしんがりの1軍見参となった。

1年目のキャンプ、甲子園のスターは新監督、辻発彦体制の目玉として、1軍スタートとなった。しかし、初日に右肩の不調を訴え、2軍へ。1年間はまず自分の体と向き合わなければならなかった。

加えて、今年早々発覚した成年に達する前の喫煙問題。球団からユニホームを着用しての練習の禁止、対外試合への出場自粛などの処分を受けた。

ユニホームを着られないことが、どれほどの重みを持つのか、処分として重いのか軽いのか、一般には感じがつかめないかもしれない。だが、戦う者の集団のなかで、君は戦闘要員ではない、ということを意味するユニホーム着用禁止は相当こたえる処分とみていいだろう。

この謹慎期間、野球ともう一度じっくり向き合い、基礎体力づくりにいそしんだ、と今井は言う。

不祥事はプロとしての自覚に欠けた、という一点によるもので、完全な自己責任。ペナルティーを乗り越えたことを美談にはできないが、若いうちはだれだって過ちを犯すことがある。同じく初登板で初勝利を挙げたライオンズの先輩、松坂大輔(現中日)も、不祥事で出演していたCMを全部降板するなどの失敗をしたことがあった。あの一件はスター選手として守らなくてはならないことを、松坂の胸に刻みつけたことだろう。

軽挙を戒める薬になるのであれば、今井の場合も、無意味な経験ではなかった、ということになる。

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