2019年5月23日(木)

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 21,151.14 -132.23
日経平均先物(円)
大取,19/06月 ※
21,100 -180

[PR]

投信コラム

フォローする

フィデリティ「欧州中小型株」が好調(話題の投信)

2018/7/2 12:00
保存
共有
印刷
その他

フィデリティ投信が運用する「フィデリティ・欧州中小型株・オープン」の好成績が続いている。過去10年のリターンは欧州の株式に投資するファンドの中でも抜きんでて高い。資金流入傾向も続き、このところ純資産総額(残高)が急速に伸びている。

■運用成績はトップクラス、22年の長寿ファンド

2018年5月末時点の10年の運用成績(分配金再投資ベースのリターン)は、為替ヘッジ付きのAコースが166.4%、ヘッジなしのBコースが97.7%。いずれも欧州の株式で運用するファンドの平均(32.0%)を大きく上回り、同じ分類の成績ランキングで1位と2位に並ぶ(図表1)。米国を含む海外の先進国株に投資するタイプの中でも、Aコースは6位に入る好成績を収めている。

設定は1996年5月末。欧州株に投資する国内籍の追加型株式投信の中では最も古く、運用実績は22年間におよぶ。当時は99年のユーロ導入を控え、日本でも欧州地域に対する関心が高まっていた。2008年の米リーマン・ショックや10年の欧州債務危機など幾多の困難を乗り越えてきた「長寿ファンド」だ。

■「ニッチ分野のリーダー格」に投資

投資対象は欧州株でも値上がり期待の大きい「中小型」に的を絞る。組み入れ銘柄の半分は成長軌道に乗っている中型株、残り半分はこれから成長を見込む小型株で運用。フィデリティ投信の早藤寛記プロダクト・ストラテジストは「ニッチでもその分野でリーダー的な銘柄を選んで投資している」と話す。

組み入れ銘柄は日本であまり知られていない企業がほとんどだが、身近な銘柄も少なくない。例えば英国の繊維メーカーのコーツ・グループ。ユニクロやナイキ、プラダなど世界的に有名なアパレル企業を顧客に持ち、大きく成長している企業だ。

銘柄選別では、個別企業の分析に基づく「ボトムアップアプローチ」を重視する。組み入れ銘柄は業種や地域別での制限を設けず、割安で利益成長が見込める銘柄を見つけて投資し、割高になったと判断すれば売却するシンプルな運用手法だ。

■徹底した企業調査、危機時に威力発揮

フィデリティ投信で欧州の企業調査を担当するアナリストは47名にのぼる。欧州各国の異なる商慣習や会計ルールに精通したチームが地域密着型で幅広い銘柄をカバーする。さらに運用を担当するポートフォリオ・マネージャーらが自ら投資先企業との面談を重ね、その取引先や店舗にも足を運ぶ。中型株は最低でも120日、小型株は180日に1度のペースで訪問する徹底ぶりだ。

企業調査に裏打ちされた「選別眼」の威力は、2010年の欧州債務危機の時に顕著に表れた。当時は債務問題に揺れた震源地のギリシャのほか、イタリアやスペインの銘柄、さらに銀行セクターのウエイトをいち早く引き下げたことで損失を回避。欧州中小型株の値動きを表すベンチマークの「ユーロマネー・スモーラー・ヨーロピアン・カンパニー・インデックス(円ベース)」が2010年の1年間で横ばいだったのに対し、為替ヘッジなしのBコースは13%のリターンを上げた。

その後は2012年ごろからの回復局面で割安だった銀行株などを買い戻し、現在の好成績につなげた。ロボットやAI(人工知能)といった成長分野の銘柄にも積極的に投資している。組み入れ銘柄数は18年5月末時点で99。年間の売買回転率は40%程度で、2~3年ですべての銘柄が入れ替わる計算だ。

■資金流入で残高増、欧州株は「出遅れ」修正も

純資産総額(残高)はこの1年で急増した(図表2)。販売大手の大和証券とSMBC日興証券が相次いで取り扱いを始め、資金流入に弾みがついた。5月末時点の残高はA、Bコースの合計で443億円と、1年前(69億円)と比べると6倍以上になった。

米リーマン・ショックからおよそ10年、欧州債務危機の発生から約8年の月日が経過し、足元で欧州の景気は回復基調にある。家計の消費支出や消費者信頼感などマクロの経済指標も改善してきた。保護主義台頭による世界経済減速などのリスク要因はあるものの、ポートフォリオ・マネージャーのジム・マーン氏は今後について「消費回復は欧州域内で稼ぐ欧州中小型株の追い風になる」とみており、米国などと比べ出遅れが目立つ欧州株の上昇傾向が続くと見込んでいる。

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

投信コラムをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム