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決勝Tへ不用意な失点防げ 欠かせぬGK交代

サッカージャーナリスト 大住良之

前半、乾のゴールで同点に追いついた

まだ何も決まったわけではない。目標である1次リーグ突破は、最終戦(28日午後5時=日本時間同日午後11時キックオフ)のポーランド戦に懸かる。連敗ですでに敗退が決まっているポーランドとはいえ、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング8位の実力を侮れない。

だが、セネガルと引き分けたことで、日本は決勝トーナメント進出に向け大きく前進した。前後半とも先行されるという苦しい展開だったが、ともに追いつき、つかんだ勝ち点1は大きい。大きな価値のある引き分けだったといっていい。

日本はコロンビアに、そしてセネガルはポーランドにいずれも2-1で勝利して臨んだ第2戦。西野朗監督は第1戦とまったく同じ先発メンバーを送り込んだ。

セネガルは初出場でベスト8の快進撃をみせた2002年大会以来2回目の出場。当時のキャプテンだったシセ氏が指揮を執り、フランスの2部リーグの選手が中心だった02年大会とはまったくレベルの違うチームをつくり上げた。ポーランド戦では「ストロングポイント」を遺憾なく発揮、FWマネらのスピードで守備が自慢のポーランドを引き裂いた。

02年大会時には、セネガルの選手たちは特にフィジカルが優れているわけではなく、チームとしてのまとまりで世界を驚かせた。だが現在のチームは走るスピードや体の大きさ、強さで"モンスター"のような選手を並べている。

ゴール前で大きなミス重なる

試合の序盤はそのフィジカルに圧倒され、日本はピンチの連続となった。その展開の中で先制点を許す。11分、人数をかけて日本の左サイドを攻略したセネガル。左に振ったクロスをペナルティーエリア内まで戻っていたMF原口元気がバックヘッドでクリアしようとしたが小さく、セネガルDFサバリの足元に。そのサバリのシュートはそれほど強くはなかったのにGK川島永嗣が慌ててしまい、はじいたボールが詰めていたFWマネのすねに当たってゴールに入ってしまったのだ。原口と川島。ゴール前で2人の大きなミスが重なれば、失点は当然だった。

しかし16分に左サイドをMF乾貴士とDF長友佑都のコンビネーションで崩し、テンポよくパスをつないで最後はエリア外に戻したボールをMF長谷部誠がシュートを放つ(乾に当たる)と、試合は日本のリズムへと変わっていく。そして34分には乾の見事なゴールで同点に追いつく。

後半も立ち上がりに相手にペースを握られたが、こんどはすぐに取り戻し、速いテンポのパスと乾やMF香川真司のテクニックで打開して前半以上にシュートチャンスも増えていく。

ただ、61分にMF柴崎岳が右から低く入れたボールに対しFW大迫勇也が中央でフリーになったが、右足を思い切り振ってしまい、空振り。この大きな逸機がなければ、日本はコロンビア戦と同じ2-1のスコアになっていた。

その後、また1点を許したが、西野監督は本田圭佑と岡崎慎司を投入、78分には乾のクロスを本田が決めて再び2-2の同点に追いついた。

勝つべき試合だったかもしれない。勝てる状況を迎えた試合だったことは間違いない。このワールドカップに入ってから日本は攻撃面での自信を深め、いつでも得点できる雰囲気と組み立ての力を示し始めている。

気になる川島のパフォーマンス

ただ一つ気になるのが、GK川島のパフォーマンスだ。コロンビア戦ではFKの処理を誤ってゴールを割られ、セネガル戦では簡単にさばくことのできるシュートを不十分な態勢ではじいてしまい、まるでオウンゴールのような先制点を献上してしまった。2点目のときも、右から左に振られたときの川島の対応は非常に悪かった。

前半、セネガルのマネに先制ゴールを許すGK川島(右)=三村幸作撮影

連敗ですでに敗退が決まっているポーランドは、これまで試合に出ていなかった選手を総動員し、フレッシュな力で臨んでくるだろう。それに対し日本は、セネガル戦までの2試合で先発出場した選手を中心にせざるを得ない。うまくいき始めているチームを壊す必要はない。

ただ、GKだけは代えざるを得ないのではないか。ポーランド戦は、同時刻にキックオフされるH組のもう1試合(サマラでのセネガル―コロンビア戦)の結果にかかわらず、引き分けなら1次リーグ突破となる。ということは、イージーなミスで失点することがなけれは大丈夫ということだ。勢いのあるチームを変えることの危険性、ここでワールドカップの舞台に立ったことのないGKに託すリスクは避けられないが、若い中村航輔に任せるべきだと、私は思う。

勝ち点4を得たことで「守り」に回らず、決勝トーナメント1回戦を勝ちきって日本のサッカー史上最高の準々決勝以上に進出できるチームにするため、GKの交代は不可欠だ。

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