2018年9月26日(水)

EU緊急首脳会合、移民・難民巡り合意描けず
域外拠点には賛同相次ぐ、独は2国間協定の模索も

2018/6/25 8:49
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 【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は24日、移民・難民問題への対応を協議する緊急の首脳会合をブリュッセルで開いた。終了後、ドイツのメルケル首相は問題解決に向け「多くの前向きな意思が示された」と強調したものの、「具体的な結論はなかった」(スペインのサンチェス首相)。28~29日のEU首脳会議で、難民・移民政策で加盟28カ国が足並みをそろえるのは厳しい情勢で、ドイツは2国間協定の検討にも入った。

緊急首脳会合にはEU16カ国の首脳が集結した(ブリュッセルの欧州委員会本部、24日)=AP

 「不法移民を減らし、EUの域外国境を守り、あらゆる(移民・難民をめぐる)問題に全員が責任を持つことで合意した」。メルケル首相は会合語の記者会見でこう総括した。しかし具体的な合意は示せず、当初予定していた共同声明もイタリアの反対などで採択を見送った。

 会合ではEU首脳外交デビューとなったイタリアのコンテ首相が独自案を提出した。イタリアなどに到着した難民・移民の受け入れを他の加盟国も分担するよう求め、応じなければEU補助金の削減などを検討すべきだと提案。難民・移民が最初に到着した国に難民申請手続きを義務づけたEUルール「ダブリン規則」が、一部の国だけに負担を集中させているとして見直しを迫った。

 受け入れ分担に応じない加盟国への補助金削減はフランスやスペインも検討すべきだと表明している。ただ難民受け入れに反発するハンガリーやポーランドなど東欧4カ国は緊急会合への参加を拒否。EU域内の分断が深まっている。

 一方、EU域外からの不法移民の流入阻止では多くの加盟国が一致する。域外国境の警備にあたる欧州国境沿岸警備隊の機能強化や、アフリカ諸国など不法移民の出身国への支援の強化、不法移民の本国送還の強化などだ。

 24日の会合では、北アフリカのチュニジアなどEU域外に難民・移民の収容センターをつくる案を、フランスやイタリアなど多くの首脳が支持した。地中海上で救助された難民らを域外で収容してEUへの難民申請を受け付け、EU域内で到着する移民・難民を減らす効果をねらっている。

 イタリアなどからの難民流入が政権内の対立につながっているドイツにとっての最優先課題が、欧州入りした難民・移民らが許可なくドイツ入りする動きをどう阻止するかだ。メルケル首相はこれまで「欧州全体で解決すべき問題」としてきたが24日、EU首脳会議での合意が難しくなっている点を認め、短期的に難民流入を阻止する「2国間、3国間の協定」を探る方針を表明した。

 28日からのEU首脳会議で、協議が決裂すれば欧州の大半の国を国境検査なしで自由に往来できる「シェンゲン協定」は存続の危機に直面する。24日の緊急会合は、そのリスクを取り除くには至らなかった。

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