2018年7月23日(月)

家屋被害「早く調べて」 窓口に列 大阪北部地震

大阪で震度6弱
関西
社会
2018/6/23 9:08 (2018/6/23 10:33更新)
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 大阪府北部で震度6弱を観測した地震で、家屋の被害調査を求める住民らが自治体の窓口に長い列を作っている。「罹災(りさい)証明」の発行に必要なだけでなく、余震が続くなか倒壊を免れてもひびや亀裂が入った自宅での暮らしに不安が大きいという。住民らは「被害状況を早く調べて」と訴えるが、自治体の人員は限られ調査は長期化する可能性がある。

茨木市役所には罹災証明の交付申請について相談するために多くの市民が訪れた(22日、大阪府茨木市)

茨木市役所には罹災証明の交付申請について相談するために多くの市民が訪れた(22日、大阪府茨木市)

 震度6弱を観測した大阪府茨木市役所の2階。調査の申請を受け付ける資産税課の窓口には22日、約30人が列をなしていた。同市の女性(70)は窓口で「早く調査に来てほしい」と伝えたが、市職員の返答は「ご自宅に伺うのは相当先になります」。申請書類は提出したが、がっくりと肩を落として帰路についた。

 女性の自宅は築50年を超える。地震後に外壁などにひびが入っているのを見つけ、撮影した写真も持参した。しかし市によると申請は既に2千件以上に上り、順次対応するため時間がかかるという。女性は「余震で家が崩れるのではないかと不安で夜も眠れないのに……」とこぼす。

 高槻市役所も相談に訪れる市民が後を絶たず、申請は18日の受け付け開始から1千件を超えた。22日に訪れた男性(72)は自宅の外壁に5~6カ所亀裂が入ったという。「普通に暮らせてはいるが、被害の程度が自分では分からない。早く修繕したい」と戸惑った。

 今回の地震による大阪府内の住宅被害は23日午前7時半時点の判明分で全壊1棟、半壊34棟、一部損壊3129棟。住宅の耐震化が進み大半の家屋が倒壊などを免れた。しかし被害調査が終わる前に修繕すると正確な判定が難しくなり、修理費についての公的支援を受けられなくなる恐れがある。壁のひび割れや柱の亀裂といった深刻さの判断が難しい被害に気をもむ被災者は少なくない。

 調査は内閣府の判定基準などに基づき、研修を受けた市町村の職員が担う。茨木市では家屋評価を担当する市職員12人が3人一組で19日から現地調査を始めたが、3日間で完了したのは90件。同様に職員21人態勢で調査する高槻市でも22日正午時点で調査を終えたのは21件にとどまる。

 同市関係者は「非常時の今、人繰りはどの担当も厳しくこの陣容が精いっぱい」という。

 同市は調査のスピードアップを目指し、2016年の熊本地震を経験した熊本市に応援を要請。同市から派遣された職員2人から、効率的な調査方法や必要な機材についての助言を受けた。市担当者は「できるだけ早く調査を進め、住民の不安を解消したい」と話している。

半壊なら公費で修理可能 一部損壊は税軽減も
 被災家屋の被害調査では、住宅の傾きや基礎部分の損傷などの程度により「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」の4つに分別される。このいずれかに該当すれば、公的支援を受ける際などに必要な罹災証明書を発行できる。
 大規模半壊と半壊の場合、災害救助法に基づいて公費で屋根や外壁の修理が可能。修理費は1世帯あたり58万4千円が上限で、超えた分は各世帯の負担となる。
 また単一の自治体内で10世帯以上が全壊すると、被災者生活再建支援法が適用され、住宅の被害程度や再建方法に応じて被災者に最高300万円を支給。今回の地震で同法が適用されるかどうかは決まっていない。
 一部損壊ではこうした公費の支援は受けられないが、災害減免法などに基づき所得税が軽減される場合がある。

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