韓ロ、インフラ整備で連携 北朝鮮
融和ムード先行に危うさ

2018/6/22 19:05 (2018/6/22 22:51更新)
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【モスクワ=鈴木壮太郎、古川英治】ロシア訪問中の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は22日、プーチン大統領と会談した。ガスパイプラインや鉄道などのインフラ整備での協力推進で合意。北朝鮮への制裁が緩和されれば南北ロの3者協力に切り替える。米朝首脳会談を踏まえ制裁緩和をにらんだ各国の動きが活発になっており、融和ムード先行の危うさを指摘する向きもある。

両首脳はインフラ協力などを柱とした共同声明を発表。韓ロ両国の政府系機関や企業もそれぞれ覚書を結んだ。自由貿易協定(FTA)も、サービス・投資分野に関する国内手続きを始めることで合意した。

一連の合意は、文氏が目指す朝鮮半島とユーラシア大陸を鉄道やパイプラインなどのインフラで連結させる「新経済地図」構想の布石となる。ただ対北朝鮮制裁が緩和され、北朝鮮も含めてインフラの整備が進められることが大前提だ。

首脳会談に先立って開催された「韓ロビジネスフォーラム」では、文氏は集まった韓ロ企業を前に「いまが適期だ。経済人が乗り出すのなら韓国政府が積極的に支援する」と強調。南北とロシアの3者協力への参画を呼びかけた。

北朝鮮のインフラ整備は朝鮮半島に影響力を確保したいロシアにとっても渡りに船だ。北朝鮮の核問題を巡る駆け引きは米中主導で進み、プーチン大統領は「大国」として存在感を失うことに危機感を強める。北朝鮮にはかねてインフラ建設を働き掛け、金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談を模索してきた。

北朝鮮の後ろ盾となる中国も北朝鮮への支援の準備を着々と進めている。3度目の訪中をした金委員長は中国の農業科学技術革新院、北京市軌道交通指揮センターを視察。中国の農作物の栽培技術や交通システムの高度な統制管理の導入に期待を示したもよう。金委員長側近も中国のシリコンバレーといわれる中関村を視察した。

韓国と北朝鮮の間の融和の動きも加速している。22日の南北の赤十字会談では朝鮮戦争で生き別れた離散家族の再会事業を8月20日から26日に北朝鮮の金剛山で開くことで合意。参加者数は南北100人ずつとする。16年に稼働を中断した開城工業団地を巡っても、早ければ8月にも「南北共同連絡事務所」を開く動きがある。

ただ、米朝会談で合意した「完全な非核化」に向けた協議は実質的に進んでいない。このため文氏も経済協力が先走っていると受け取られぬよう腐心する。21日のメドベージェフ首相との会談では「制裁が緩和され、北朝鮮の参加が可能になったときに本格推進できるよう共同研究や調査を事前に準備する努力が必要だ」と語った。

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