2018年11月14日(水)

自動運転、安全要件で開発促進 国際標準狙う

2018/6/22 21:00
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自動運転車の安全要件の原案が22日、まとまった。万が一の事故に備えてシステムの不調を運転手に伝えたり、走行データを記録したりする仕組みの採用を求める。走行中のデータは安全の確保だけでなく、優れた自動運転技術の開発に欠かせない。国土交通省はメーカーに対応を促しつつ、国際標準にして開発競争を有利に進めたい考えだ。

国交省が同日、有識者による検討会で原案を示し、大筋で了承された。夏ごろまでに最終案をまとめる。安全要件を定めるのは、運転席に人が乗った状態で運転を自動化する「レベル3」と、特定の条件下では運転席に人が座らない「レベル4」の自動運転車だ。

自動運転は世界で開発競争になっており、万が一のシステム故障時に備える仕組みに注目が集まる。国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)などで各国が自動運転の基準作りに向けて議論しているが、レベル3~4に関する国際的な安全要件はまだない。

日本独自の考え方をまとめておけば、国際的な基準作りに主体的に参加できる。日本の安全要件が国際基準に反映されると、この要件をもとに開発を進める日本の自動車メーカーが海外勢との競争で有利になる。

国交省幹部によると、「政府がレベル3以上の市販化を想定した安全要件を定めるのは世界で初めて」という。ニッセイ基礎研究所の塩沢誠一郎氏は「日本が独自案をまとめたことで、基準作りの議論でスタートラインに立てた」と指摘する。

今回の原案では、自動運転の開発に欠かせないシステムのデータ収集を打ち出した。運転システムや運転者自身の状況をデータとして記録する装置を備え付けることを要件とする。国際的なサイバーセキュリティーの議論を踏まえたハッキング対策を車両設計・開発に盛り込むことも求める。

車に乗る人を守るため、自動運転システムの作動状況を乗員に知らせる機能も要件とする。レベル3では、危険時にシステムから運転手が運転を引き継げるかどうかを監視・警告する機能を求める。レベル4では、システムが運転を続けられなくなった際に、自動停止することを乗員に事前通知する。

自動運転システムが正常に作動する走行場所や気候条件などを決め、走行環境や運用方法を制限する。設定条件を外れて自動運転が続けられなくなった場合に、車両を自動で安全停止させる仕組み作りも求める。

自動運転技術のレベル1~2は運転支援の段階で、同技術を搭載した車はすでに国内で販売済み。レベル3以上が本格的な自動運転技術となる。政府は2020年をめどにレベル3以上の実現を目指しており、国際基準作りに時間がかかる中で国内ルールを先行整備し開発を促したい考えだ。

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