2019年4月26日(金)

山崎製パン千葉工場(千葉市) 「千産千消」で新商品
創る ちばの戦略拠点

2018/6/21 22:00
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製パン業界首位の山崎製パン。同社の千葉工場は千葉市の千葉食品コンビナートにある。千葉県のほぼ全域と東京都、茨城県の一部向けに食パンや菓子パン、和洋菓子、季節商品など450品目を365日休まず生産。できたての味を、家庭などに届けている。

焼きたてのシュークリームの皮は常温までゆっくり冷やされる(千葉市)

パンの主原料である穀物は、大型船で工場近くの千葉港に着く。製造に不可欠な製粉や製油、製糖の工場もすぐ近くにある。上田恵治工場長は「パン作りには最適な環境」と胸を張る。商品は朝と昼の2回、同工場の供給エリアにある約6700店に配送。1日の平均売上高は1億円以上だ。

生産ラインは21あり、その中でシュークリームのラインは17年に増強した。焼き上がったパフ(皮)は、セ氏18度に保たれた部屋で常温まで10分ほどかけてゆっくり冷ます。急速に温度を下げると、生地が硬くなったり縮んだりするためだ。その後、中に新鮮なクリームを注入して包装し、出荷する。生産能力は15%増え、品質も向上した。

同社は全国共通の定番商品のほかに、各工場が独自商品を開発、生産している。販売戦略も各工場で立案し、千葉工場でも月3回程度、開発会議を開き新商品を練る。同工場では地元食材を使った「地産地消」ならぬ「千産千消」の商品を作る。「千葉にはいい食材がたくさんある。有名でなくても光るものを使い、地元の人や農家にも喜んでもらいたい」(上田工場長)

県産の農産品や畜産品の採用では農協の協力を得るほか、地元企業や学校と共同で開発することもある。18年はブランド豚の「房総ポーク」や木更津市産ブルーベリーなど、県産食材を使ったパンや洋菓子8種類を発売する予定だ。

千産千消とともに千葉工場が力をいれるのが「夕食市場」の取り込みだ。「パンといえば朝食か昼食で、夕食にパンを食べる習慣は日本では長い間根付かなかった」(上田工場長)

市場開拓を担うのが、千葉工場が試作作業を手がけた定番商品のフランスパン「スペシャルパリジャン」だ。もっちりとした食感と小麦本来の味や香りが特徴のロングセラー商品だが、15年6月には味の決め手となる発酵種を自社開発し、味や香りをさらに高めた。

千葉工場は、パンを薄く切りカナッペのようにチーズやハムなどを乗せて食べることを提案。スーパーなどで積極的に試食会を開き、消費者に紹介している。18年に入ってからは全国のスペシャルパリジャンの売り上げの約14%を、同工場の供給エリアで占めるまでになった。上田工場長は「夕食でもパンを食べる文化が根付けばパン食全体の需要が高まる」と期待する。

千葉工場が現在の場所で操業を始めて今年で50年。食の安全・安心にこだわり変わらぬおいしさを提供しつつ、地域色を出したり新たな市場を開拓したりと挑戦は続く。

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