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球場が呼んでいる(田尾安志)

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交流戦1位ヤクルト 復調の陰に泰然の将あり

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2018/6/24 6:30
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チーム低迷の理由を人材不足に求める監督は多い。「ほかの選手を使いたいが、調子のいい選手が見当たらない」といった具合に。ただ、ヤクルトの小川淳司監督からその手のぼやきを聞いたことがない。

昨季のヤクルトは故障者の続出に泣いた。椎間板ヘルニアでシーズンをまるまる棒に振った川端慎吾をはじめ、ウラディミール・バレンティン、畠山和洋、雄平といった主力が相次いで戦線から離脱。留守を預かった山田哲人が力んで不調に苦しんだこともあり、セ・リーグ最下位に沈んだ。今季、シニアディレクターから返り咲いた小川監督は耐性ができたのか、故障者が出ようが不調の選手が多かろうが、泰然としているようにみえる。誰かが抜けたら残った面々で乗り切るまで、と柔軟性をもって対処しているかのようだ。

低迷しているときでも、小川監督(右端)の采配には反攻への決意が見て取れることがあった=共同

低迷しているときでも、小川監督(右端)の采配には反攻への決意が見て取れることがあった=共同

柔軟といえば、彼はよく私の話を聞いてくれる。球場にいくと、歩み寄ってきて「田尾さん、こういうときはどうしたらいいと思いますか」と意見を求めてくる。これはなかなかできることではない。監督のなかには「解説者にあれこれ話すといろんなところに漏れ伝わる」「毎試合見ていない人に何かを聞くのは嫌だ」などと考え、自分の考えだけに凝り固まった人がいる。その点、小川監督や日本ハムの栗山英樹監督は監督族のなかでは異質な存在で、よく話をしてくれる。

いろいろな人の意見を取り入れて采配に生かそうという思いが強いのだろう。もちろん、自身の考えとは相いれない助言を耳にすることもあるはず。それでもおしまいまで聞き、違うと思えば採用しないまで。小川監督が私のような一解説者の話に真摯に耳を傾けてくれるのも、どこにチームづくりのヒントが転がっているかわからないと思っているからだろう。

型にとらわれぬ姿勢、采配にも

型にとらわれない姿勢は采配にも生きている。開幕当初に抑えを務めた新外国人、マット・カラシティーの救援失敗が続くと、じきに石山泰稚に代えた。交流戦では近藤一樹と中尾輝に七、八回を託し、石山で締める継投パターンが定着。後ろがしっかりして負担が軽くなった先発投手が好投する好循環もあり、チーム初の交流戦勝率1位(12勝6敗で6割6分7厘)に輝いた。カラシティーにはあまり重圧のかからないイニングを任せると、ロングリリーフを成功させるなどして交流戦で3勝。柔軟な配置が各人の力を引き出した。

一時はセ・リーグで首位から11.5ゲームも離され、最下位に甘んじていたヤクルトが交流戦であのように息を吹き返すことは予想ができなかった。ただ、低迷しているときでも采配に反攻への決意が見て取れることがあった。最下位にもなると作戦が送りバントばかりになる監督は多いが、小川監督はそんな弱気な姿勢は見せない。走者を動かしたり、スクイズを試みたりと積極的に動くシーンが目立った。

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