2019年3月25日(月)

新宿アルタ、変わっていいとも! 大人のファッションビルへ

2018/6/20 14:43
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JR新宿駅前に立地し、名物番組「笑っていいとも!」のスタジオがあったことで知られる商業ビル、新宿アルタ(東京・新宿)が大人向けのビルへ変貌を遂げ始めた。40代以上を主な顧客とする衣料品カタログ通販のドゥクラッセ(東京・世田谷)が22日、1階に出店する。かつてギャルファッションを集めていた同ビルは、中高年層をターゲットに再起を図る。

新宿アルタの1階に入店する「ドゥクラッセ」

ドゥクラッセの新宿アルタ店には中高年の男女向けの衣料品をそろえた(東京都新宿区)

1階の大半を占める新店舗の売り場面積は約550平方メートルで、衣料品や婦人靴の限定商品を用意する。1枚でも大人の女性が着こなせるTシャツや、中高年の男性が休日に着用するストレッチ素材のジャケットなどを用意する。休憩用のカフェコーナーも併設し、夫婦そろっての来店を促す。

20日開いた開業記念イベントでドゥクラッセの林恵子社長は、「新宿は今の50代が20代の頃、青春の街だった。ご縁があってアルタ店を出店できた」と話した。子育てが一段落した中高年が、ショッピングで訪れることを期待する。

ドゥクラッセの出店は、アルタにとって「大人向け」への業態転換の第1弾だ。新宿駅東口の待ち合わせ場所として知られる新宿アルタは、1980年に三越(現・三越伊勢丹ホールディングス)が新宿二幸跡地にアルタの旗艦店として誕生した。

地上8階、地下3階建てで、ファッションブランドや飲食店が入店。壁面には大型の街頭ビジョンを設置し、待ち合わせの若者らでにぎわっていた。さらに、82年に放映がスタートした人気バラエティー番組「笑っていいとも!」の生収録場所として全国区で名を知られるビルとなった。

90年代後半に入ると、東京・渋谷を発信地とする「ギャル系ファッション」が10~20代の女性を中心に人気を集めた。若年層をターゲットに設定する新宿アルタも10~20代の女性向けファッションに力を入れた。ギャルに人気のブランド「ラブボート」や婦人靴専門店の「エスペランサ」を誘致するなど、05年には全ての店舗が女性向けとなった。

だが、06年ごろから風向きが変わり始める。新宿駅東口から直結する商業施設「ルミネエスト新宿」(東京・新宿)が登場。さらに、「H&M」や「フォーエバー21」などトレンドを安価でいち早く提供するファストファッションが相次ぎ出店し、若年層の顧客が奪われていった。14年に「笑っていいとも!」の放送が終了したことも逆風となり、スタジオや機材の使用料収入が減った。

映像制作などを手掛けるスタジオアルタの15年3月期は1億3900万円の営業赤字で、売上高は14億円と前年同期比14%減った。ネット通販の台頭を背景に、若年層の購買行動も変わりつつある。新宿アルタを運営する三越伊勢丹プロパティ・デザインの末広泰之店長は「アパレル系の販売が厳しい。ギャル系から大人のライフスタイルを提案するビルに変えていきたい」と強調する。

そこで、誘致に動いたのが、07年創業でカタログ会員約250万人を抱えるドゥクラッセだった。同社は通販を起点としており、通販客が試着をしたいという要望に答えて、直営店を開いたのが実店舗の運営の契機だった。現在は全国に44店舗を展開している。末広店長は「実店舗を運営してきた当社とドゥクラッセのECや通販のノウハウを融合していく」と話す。

節約志向が高まるなかで、比較的に可処分所得の高い中高年の消費を喚起できるか。アルタの隆盛を知る大人を「アルタで会おうね」と呼び込めるか。アルタの新たな挑戦が始まる。

(高橋彩、鈴木慶太、花井悠希)

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