2018年7月18日(水)

逆風のスバル 命運握る「新フォレスター」投入

自動車・機械
2018/6/20 12:39
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 SUBARU(スバル)は20日、6年ぶりに全面改良した多目的スポーツ車(SUV)「フォレスター」を7月19日に発売すると発表した。都内で会見した次期社長の中村知美専務執行役員は「新たな一歩を踏み出す最初の商品としたい」と話した。同社は5日に公表した完成車の試験不正の渦中にあり、販売にも停滞感が出ている。頼みの綱である最量販車で失敗は許されない状況だ。

■試験不正で販売に停滞感

新型フォレスターを発表するSUBARUの中村知美専務執行役員(20日午前、東京都港区)

新型フォレスターを発表するSUBARUの中村知美専務執行役員(20日午前、東京都港区)

 中村氏は22日の株主総会後に社長へ昇格する人事が内定している。完成車試験を巡る不正については「真相究明を進めて、一刻も早く信頼を取り戻せるよう努めたい」と話した。

 5月中旬に始めた先行受注では、18日時点で4119台の受注を獲得した。国内では月2500台の販売を計画する。中村氏は「顧客に信頼される存在になるため、あらゆる顧客との接点で全力を尽くし、質を高めたい」と話した。

 フォレスターは世界で年30万台前後の販売が見込める最量販車だ。小型車「インプレッサ」などと比べて採算も良い「優等生」で、同社の経営を20年間支えてきた。5日には完成車の試験で新たな不正が発覚したが、フォレスターは「生命線」(同社幹部)と位置付けており、発表も予定通りに行われた。

 停滞感が漂う販売のテコ入れにかかる期待は大きい。国内は4月に好不調の指標とする1万台を30カ月ぶりに割った。新車投入の端境期だった影響もあるが、4度に渡る不正によるブランド力の低下は否定できない。巻き返しには「フォレスター効果」が不可欠だ。

 20年代を見据えた電動化戦略でも重要な位置をしめる。水平対向エンジンと電動技術を合わせた独自のハイブリッド(HV)システム「e-ボクサー」を初搭載したモデルも投入する。反応性の高いモーターがエンジンをアシストして、「走りの楽しさを伸ばした」(同社)という。

■電動車に再び力

 13年にSUV「スバル XV」にHVモデルを投入したが、販売がふるわず16年に生産を終えた。それ以来、電動車はゼロの状況だ。「規模が小さく実験的な車は投入できない」(同)と、他車種への横展開もにらんだ「e―ボクサー」の開発に注力してきた。「18日時点で受注の4割はHVモデル」(同社)といい、好調を維持できるかが問われる。

 スバルは4度の不正で消費者の信頼に傷をつけた。ある幹部は「消費者にはあまたの選択肢があることを忘れてはならない」と自戒する。フォレスターを再生の契機とできるかは、何よりもその「品質」にかかっている。

(山本夏樹)

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