2018年9月26日(水)

独仏首脳、ユーロ圏共通予算で合意 南北格差解消に一歩

2018/6/20 0:42
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 【ベルリン=石川潤】ドイツのメルケル首相は19日、ベルリン近郊でフランスのマクロン大統領と会談し、欧州連合(EU)改革について議論した。欧州全体に遠心力が働くなか、投資のためのユーロ圏共通予算を創設することで合意した。規模などは不明だが、発展の遅れるイタリアなどの南部に北部欧州の資金が流れるようにし、南北格差の解消につなげる。

 両首脳が会談後の記者会見で明らかにした。欧州の南北の格差がユーロ圏内の対立を激しくし、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭につながったとされる。ユーロ圏は通貨はひとつだが財政政策がばらばらなため、金融危機からの立ち直りが遅れたとの指摘もある。

 ユーロ圏共通予算の設置は財政統合に向けた最初の一歩といえる。ただ具体的な予算の規模や資金の用途は明らかでない。マクロン氏が当初想定していた危機時にも活用できる大規模な予算からはかけ離れたものになる可能性もある。

 両首脳は危機対応策として焦点になっていた共通の預金保険制度が必要との認識でも一致した。ただメルケル氏は銀行部門が抱えるリスクを削減することが導入の前提になると指摘した。

 米国や中国などとの競争が激しい人工知能(AI)などの技術革新を協力して進めていくことでも合意した。

 欧州全体を不安定にしている難民の流入をどう抑えていくかも議論した。不法移民がいったん欧州に入り込むと自由に移動できるため、国境警備を強化してEUの入り口で取り締まるようにする。

 独仏は両首脳が一致した改革案を28、29日に開くEU首脳会議に示す考えだ。難民問題では各国の分担を求めるイタリアなどと、分担を拒否する東欧諸国などの間の対立が大きく、EU全体で合意できるかは不透明な面がある。

 ドイツでは、ほかのEU加盟国で難民として登録された人を国境で追い返す権限を警察に与えるようにゼーホーファー内相が主張し、反対するメルケル氏との間で亀裂が広がっている。メルケル氏は政権の崩壊を避けるためにも、各国と協議してこの問題の解決策を見いだしたい考えで、マクロン氏にも協力を求めたとみられる。

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