2018年11月19日(月)

塀やマンホールに潜む危険 大阪北部地震

2018/6/19 21:49
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最大震度6弱を記録した18日の大阪北部地震では、小学4年生の女児(9)ら2人がブロック塀の倒壊で犠牲になった。全国に老朽化した塀は残り、過去の地震による倒壊被害の教訓は生かされなかった。塀以外にも市民の生活に密着したインフラはあり、老朽化対策が行き届いているとは言いがたい。

「全国の小中学校に(ブロック塀の)緊急点検を要請した」。林芳正文部科学相は19日の閣議後記者会見で述べた。女児が死亡した大阪府高槻市の小学校のプールのブロック塀は、高さが基準を超え、塀を固定する「控え壁」が無く、建築基準法に適合していなかった。

これまでの地震でもブロック塀倒壊による被害が発生。1978年の宮城県沖地震では死者28人のうち18人が塀などの下敷きで死亡した。それを機に建築基準法施行令を改正。ブロック塀は原則高さ2.2メートル以下にするなど耐震強化した。

だがその教訓は生かされず、2016年の熊本地震でも倒壊による死傷が確認された。福岡大学の古賀一八教授(建築防災学)が熊本地震後に最大震度7を観測した熊本県益城町でブロック塀の倒壊を調査。全体の9割が国の基準を満たさず、約7割が倒壊した。

自治体はブロック塀の撤去費用を補助し、補修や取り壊しを促しており、仙台市は塀の撤去費用を最大15万円まで補助する。南海トラフ地震が懸念される中、倒れれば緊急車両や避難の妨げにもなるブロック塀。古賀教授は「基準を満たさない塀は全国にまだ多く残る。所有者に耐震化の必要性を知らせる取り組みが必要」という。

老朽化が懸念される設備などは、ブロック塀以外にも身の回りにある。日本グラウンドマンホール工業会(東京・港)の推計では、全国で自治体が管理するマンホールには約1500万枚のふたがある。うち、全体の2割が耐用年数を超えているとみられる。

ふたの老朽化で表面が摩耗すれば、梅雨や降雪時などに自動車や歩行者がスリップするリスクが高まる。ゲリラ豪雨の際、下水管内の圧力が急激に高まってふたがずれたり、最悪は吹き飛ぶケースなどもある。

高速道路や橋梁など大型インフラは政府の対策予算も組まれやすい。同工業会の担当者は「自治体で人手や予算も不足する中、マンホールのふたの点検や更新は後回しになる傾向がある」と指摘する。

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