レノボ、PC反転攻勢の研究拠点を公開

2018/6/19 18:42
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中国レノボ・グループは19日、ノートパソコン「シンクパッド」を開発する大和研究所(横浜市)を報道陣向けに公開した。米IBMから2005年に取得したシンクパッドはレノボをパソコン世界大手に育てた原動力で、大和研究所はその中核拠点だ。米HPや米デルとの三強争いが激化する中、法人需要を開拓する反転攻勢の拠点と位置づける。

横浜市のビルにある大和研究所。金属製の板の上に固定したパソコンを機械を使って空圧で押すと「ドンッ」という力強い音がする。バッグに入れたパソコンを勢いよく揺らしても破損しないかチェックする試験だ。横や縦の揺れだけでなく、吸音材を壁一面に敷き詰めた部屋でノイズを確かめる試験、零度に温度を下げて駆動への影響を検査する試験など、一貫した開発体制を敷く。

大和研究所はもともと85年にIBMが大和事業所として神奈川県大和市に設立した。92年に初代シンクパッドを発売して以来、IBMのパソコン開発拠点として役目を果たしてきた。

転機になったのは05年だ。ハードウエア中心のビジネスからサービスシフトを進めるIBMがレノボにパソコン事業を譲渡したことに伴い、大和研究所もレノボ傘下となった。現在は中国の北京と米国のノースカロライナ州にある開発拠点を含むレノボの「イノベーショントライアングル」の一角を占める。

「レノボに入ってから製品群が大きく増えた」とレノボ・ジャパンの横田聡一執行役員常務は話す。もともと法人向けに強かったシンクパッドだが、パソコンを中核事業に据えたレノボは投資を集中させて製品を拡充。東芝など日本勢を尻目にシンクパッドを武器にしてグローバル展開を進めた。NECのパソコン事業を11年に傘下に収め、13年にパソコン世界首位になったレノボは18年には富士通の事業も合弁化した。

とはいえ、足元の業績は厳しい。18年3月期決算はスマートフォン(スマホ)事業の不振などで最終損益が1億8900万ドルの赤字となった。17年のパソコン世界首位の座はHPが5年ぶりに奪還するなど競争は激しさを増している。

将来のビジネス環境をみると個人向けはスマホの台頭で成長は厳しい。一方、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」のサポートが20年で終了することから、法人向けは買い替え需要が見込める。シンクパッドでライバルにどこまで立ち向かえるか。大和研究所は重要な役割を担う。

(企業報道部 杜師康佑)

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