徳島銀行、窓口での待ち時間短縮に向けAI導入

トモニホールディングス(HD)傘下の徳島銀行は、来店した顧客が窓口で待つ時間を少しでも短くするため、銀行業務に人工知能(AI)を導入する。顧客の要望や問い合わせに対し、窓口の行員が最適な回答をAIに求めることで業務を効率化する。2018年10月に全店に導入する。
従来は営業店の窓口行員が専門外の問い合わせに対応する際、電話で本部の専門部署に確認した上で回答していた。導入する「業務AIチャットボット」は、質問を行員が入力すればAIが回答候補を探し出すというシステムになる。窓口で1人の顧客に対応する時間が短縮し、待ち時間が減る効果を期待している。
徳島銀と17年5月に金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックとAIに関するアドバイザリー契約を結んでいる東大発のベンチャー企業、アリスマー(東京・江東)の技術を使って開発を進める。アリスマーは三井住友海上火災保険と、自動車事故の損害をAIで瞬時に判定するシステムの開発で実績がある。
チャットボットは導入後のやりとりを分析し、学習しながら回答精度を上げていく。徳島銀はこうしたデータを収集することで、窓口での問い合わせが多い質問を抽出して事務マニュアルの見直しにも活用するという。
徳島銀は同じトモニHD傘下で大阪拠点の大正銀行と19年秋までに合併する。チャットボットの大正銀での展開は合併以降になる見通し。