2018年9月18日(火)

内定3社でも「就活続ける」 企業、つなぎ止めに腐心
内定率7割超え マイナビ調べ

就活
2018/6/19 12:01
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 就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が19日発表した19年卒の学生の内定率(内々定を含む)は15日時点で71.6%だった。昨年の同時期と比べて3.9ポイント高かった。1人の学生が2社以上の内定を得るなど、売り手市場で多くの学生が複数の内定を得る中、企業は辞退を防ごうとつなぎ留めに腐心している。

ニトリが開いた内定祝賀会の様子。今後も毎月2、3回は内定者向けにイベントを開く

■内定3社「それでも就活続ける」

 経団連は加盟企業に求める採用スケジュールで、大学3年生の3月に説明会、4年生の6月に面接や内定の解禁を求めている。15日時点の内定率は現行スケジュールとなった17年卒の調査から過去最高。5月末時点の60.3%から11.3ポイント増加し、6月から選考を始めた大手商社や金融を含めて2週間で内定出しが一巡したとみられる。

 ただ複数の内定を得ていても就活を続ける学生も多い。16日、マイナビが都内で開いた留学経験をもつ学生向けの企業説明会を訪ねた、東洋大4年の男子学生はすでに3社の内定を得ているが、辞退せず活動を続けているという。「就活は一生に一回。少しでも興味があれば回っておきたい」と話す。

 マイナビ・HRリサーチ部の毛塚友也課長は「現時点で内定を得た学生1人当たりの平均では2社を超えている。売り手市場を背景に内定が出やすくなっている分、学生が柔軟に考えて企業を選ぶ余裕ができている」と説明する。

 内定を与えたのに就活を続ける学生に企業はやきもきしている。囲い込みたくても強引な手法をとりづらい。就活を終えるように強要するハラスメントの「オワハラ」が数年前に話題になり、ネット掲示板や交流サイト(SNS)で拡散すれば企業の印象を損ねかねないからだ。

 最近の「引き留め」策としては、内定者同士のSNSをつくって交流会や懇親会を開いたり、次の20年卒の学生向けのインターンシップに協力してもらったりする方法が定番だ。採用コンサルタントの谷出正直氏は「1つ下の学生に先輩として接することで、その企業の内定者としての自信や誇りを芽生えさせるねらいもある」と見ている。

■親に入社確認「オヤカク」

 より踏み込んで内定者の確保に取り組み企業も出てきている。一つは学生の親にも入社承諾の確認をとる戦略だ。「オヤカク(親確)」などと呼ばれている。ニトリは19年卒の内定者向けに、学生と親向けに福利厚生をまとめた資料を送る。「手当ての種類や女性社員の働き方などを紹介し、親に安心してもらうことで入社への後押しにつなげたい」と話す。

 入社までの間に内定者アルバイトとして、早くも現場での経験を積ませる企業も増えている。LINEはエンジニア職などの内定者が入社前にアルバイトする場合、入社後の年収を時間給に換算した額を支払う。優秀なエンジニアは新卒でも争奪戦の様相で、IT業界では同様の取り組みが広がっている。

 ソフト開発のエイチームは人工知能(AI)による学生の性格診断を基に、似たタイプの社員を配置して、相談への対応や内定通知を任せた。学生の内定承諾率は約8割と3割高まったという。

 マイナビの調査によると、企業が18年卒の学生の採用にかけた費用の平均は1人当たり約53万円と、前年を7万円上回るなど年々増加傾向にある。費用と時間をかけて内定を出した学生のつなぎ留めの重要性も高まる。

(小柳優太)

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