2018年7月16日(月)

自殺対策のSNS相談、女性が9割、30代未満が8割

社会
2018/6/19 10:12
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 政府は19日の閣議で2018年版の自殺対策白書を決定した。自殺願望を投稿した若者が犠牲になった神奈川県座間市の事件を受け、今年3月に初めて行った交流サイト(SNS)の相談事業の結果を公表した。1カ月間で1万件超の相談があり、相談者の9割近くが女性で、約8割が30代未満だった。

 警察庁の統計によると、17年の自殺者数は2万1321人(前年比2.6%減)。8年連続で減り、6年連続で3万人を下回ったが、19歳以下の自殺の増加には歯止めがかかっておらず、若年層向けの対策が課題となっている。

 自殺者は7対3で男性が多い。原因(複数回答)が特定できたのは約7割の1万5930人。重病などの「健康問題」が1万778人で最も多く、「経済・生活問題」(3464人)などが続いた。「学校問題」は329人だった。

 19歳以下の自殺者は567人(前年比47人増)と各年代の中で唯一増えている。長期的にみると19歳以下の自殺者数は1990年代末から横ばいが続いており、厚生労働省の担当者は「学業や進路の悩みなど様々な要因が絡み合っているのではないか」と分析する。

 座間市の事件は2017年10月に発覚。同市のアパートで「自殺したい」などとSNSに投稿した10~20代の男女9人が遺体で見つかった。9人はSNSを通じて容疑者と知り合ったという。

 座間市の事件を受け、政府はインターネットの監視など再発防止策をまとめたほか、3月には自殺対策に取り組む民間13団体によるSNSを利用した相談事業も実施した。

 寄せられた相談は1万129件。学校で居場所がないことに悩む10代女性のケースでは、SNSの手軽さが相談につながり、女性は相談員と定期的にやりとりを続けるうちに「学校を卒業して一人暮らしができるように頑張りたい」と前向きに話し始めているという。

 厚労省は今後、SNSの相談事業で女性や若年層の利用者が多かった理由などを分析し、支援の充実につなげる方針。

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