2018年7月18日(水)

ネット通販、物価を0.2ポイント下押し 日銀が分析

経済
2018/6/18 23:25
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 日銀は18日、インターネット通販の拡大が消費者物価指数(CPI)の上昇を抑えているとの分析を公表した。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数で0.1~0.2ポイント下押ししているという。実店舗を持たずに商品を安く販売できるネット通販の伸長は、日銀が目指す2%の物価上昇率目標の壁となりそうだ。

ネット通販の伸長は、日銀が目指す2%の物価上昇率目標の壁となりそうだ

ネット通販の伸長は、日銀が目指す2%の物価上昇率目標の壁となりそうだ

 分析は物価や景気の分析を担う調査統計局の局員の論文として公表した。日銀がネット通販の拡大と消費者物価の関係を詳細に分析し、公表するのは始めて。

 日銀は物価目標の達成を目指して5年以上にわたって大規模な金融緩和を続けてきた。しかし、4月の消費者物価指数の上昇率は、生鮮食品を除く総合で前年同月比0.7%と上昇幅が縮小。さらに、物価の基調を知るために重視している生鮮食品とエネルギーを除いた指数でみると上昇率は0.4%にとどまった。

 消費者物価指数は実店舗の価格が調査対象で、ネット販売の価格は反映されていない。それでも日銀の論文はネット通販が拡大すれば「既存の小売店が値下げして指数が下押しされる」とし、0.1~0.2ポイント下押ししていると分析した。

 実際、消費者物価の伸びは、ネット経由の支出が増えている品目ほど鈍っている。インターネットでの支出額が足元で前年比1割以上増えている日用品や衣料品では、物価指数の伸びが鈍い。一方で支出額の伸びが鈍化している食料品(食料工業製品)の物価は上昇基調にある。

 家計消費に占めるネット支出の割合は3%程度で今後高まる余地がある。ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦氏は日銀の分析について「物価上昇が伸び悩む日本では決して小さくない数字。ネットでの買い物の浸透は長期的に消費者物価を抑制する」と話す。

 日銀は7月に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に向けて、物価がなかなか上がらない理由を再点検する方針。ネット通販の影響を分析したのも要因を探る一環とみられる。

 物価が上がりにくい状況は欧州など他の先進国にも共通しており、ネット通販に加え、賃金が上がりにくい労働市場や新興国を含むグローバル経済の進展などが影響している可能性がある。

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