2019年6月17日(月)

神奈川で終活支援広がる 葬儀やエンディングノートで

2018/6/19 0:30
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終末期や死後を自ら考えて備える終活を支援する動きが神奈川県内で広がっている。大和市は葬儀の生前予約を支援する制度の対象を広げ、高齢者のみの世帯なら誰でも利用できるようにした。茅ケ崎市は介護や葬儀の希望を記す独自の「エンディングノート」を改善した。終活への関心の高まりを受け、自治体も対応に乗り出している。

大和市は希望する市民に葬儀会社の情報を提供し、生前に予約できるよう支援する制度の対象を6月から広げた。市が生前予約した人を定期的に安否確認し、死後に葬儀会社が葬儀や納骨をする。

身寄りがなく、経済的なゆとりがない人でも自身の葬儀を行えるよう2016年から始めた制度で、利用できるのは月収16万円以下で「身寄りがなく、生活にゆとりがない人」に限定していた。

制度開始から5月末までに150件以上の問い合わせがあったが、「身内に迷惑をかけたくない」「収入はあるが独り身で不安」など対象外の人からの問い合わせがほとんどで、成約は1件にとどまった。市民の求めに応じるため、収入制限などを撤廃した。

対象の拡大で市は年間数十人程度の登録者を見込む。今後、葬儀の内容や死後の遺品整理などの相談にのるサービスを始めるなど、よりきめ細かに対応できるようにする。

茅ケ崎市は市が独自につくり、配っていたエンディングノートを5月に改善した。従来、治療の希望はあらかじめ書かれていた選択肢から選ぶ方式だったが、「意識不明なら(チューブで胃に栄養を送る)胃ろうはいらない」「人工呼吸器で延命治療してほしい」など、より細かく具体的な希望を書き込めるようにした。

17年3月以降、市役所の窓口などを通じて9500冊を配布してきた。市内の高齢者の6人に1人が持つ計算で、高齢福祉介護課は「予想を超える反響だ」と話す。離れて暮らす子どもから勧められ、ノートを受け取りに来る高齢者も目立つという。今回は市民からの要望をもとに改め、2000冊を用意した。

市はノートの書き方を学ぶ講座も開く。17年度は市内全ての公民館で開くなど20回以上開いた。再度の開催を求める声もあり、現時点で6回の開催が決まっている。

横須賀市は緊急連絡先や墓の場所など自身の情報を市に登録する仕組みを5月から始めた。登録者の死後などに、市が親族などの照会に応じて管理していた情報を伝える。墓の場所が分からないといった事態を防ぎ、死後の希望を正確に伝える効果を見込む。14日までに市民らから65件の相談があり、16件が登録に結びついた。

■終活の意向は4割

終活の認知度が高まり、元気なうちから葬儀や介護施設を確保したいと考える高齢者が増えている。楽天リサーチ(東京・世田谷)が1月に20~60代の1000人に聞いたところ「終活の意向がある」は39.1%。「分からない」は43.5%。「意向がない」は17.4%にとどまった。

終活を始めたい年齢については65~69歳が21.6%で最も高く、60~64歳の20.5%が続いた。終活をする理由(複数回答)は「家族に迷惑をかけたくない」が71.4%、「病気などで寝たきりになった場合に備えるため」が48.6%だった。

将来、寝たきりになる懸念から、介護士が常駐する高齢者向けマンションも人気だ。老人ホーム運営のオリックス・リビング(東京・港)は横浜市内の住宅型有料老人ホームを6月に増築。189室の本館が満室になったため、87室の新館を建てた。既に半分が埋まっている。要介護になった際に隣接する一般の老人ホームに転居できるのが人気の理由で「元気なうちから将来に備える高齢夫婦などに支持されている」(同社)という。

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