障害児の居場所、20年度までに全区市町村へ 東京都

2018/6/19 0:30
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東京都内の自治体が障害を持つ子どもに特化した通所施設や放課後の居場所の整備を強化する。施設の定員数は増えているが、設置済みの区市町村は全体の半数以下にとどまる。都は2020年度までに全区市町村に少なくとも1カ所の開設をめざす。障害児の保護者が仕事を続けられる環境を整え、自立支援や社会との接点づくりにもつなげる。

医療的ケアが必要な就学児を受け入れる放課後等デイサービス(東京都杉並区)

都は障害児施策として、未就学児向けの「児童発達支援」と、小学生以上が通う「放課後等デイサービス」の拡充策をまとめた。16年度の開設実績は児童発達支援が23自治体(定員約4000人)、放課後等デイサービスが21自治体(同約7800人)となっている。

設置主体はNPO法人や民間が中心だ。設置にかかる初期費用や運営費の問題に加え、日常的に人工呼吸などが必要な「医療的ケア児」を受け入れるには専門人材の不足もあり、なかなか新設が進まない。

都は開設にかかる初期費用への助成を拡充して開設ペースを加速させる。家族への相談対応や施設への支援に当たる拠点「児童発達支援センター」は16年度は22区市町村にあるが、全区市町村への設置を目標とする。

都が広域計画を打ち出す一方、区は身近な取り組みを強化する。目黒区は障害児へのケアで官民の連携を強化する。18日に障害者の家族・団体や有識者、医療関係者など約20人で構成する協議会の初会合を開いた。今後、効果的なサービスや行政による支援のあり方を探る。

同区には現在、35人の医療的ケア児がいる。当事者の意見を聞きケアの実態を把握するほか、訪問看護の拠点など民間が担うサービスに対して行政がどのような支援を講じれば効果的かを論じる。官民間の情報共有の体制も強化する。

年内に協議会で報告を取りまとめる予定。目黒区の19年度予算の政策に反映させる方針だ。

大田区は19年3月、既存の障害者の支援拠点を増改築し、障害児支援に特化した施設を新たに開く。医療的ケア児の短期入所にも対応する。

支援実績を持つ団体も事業を加速する。NPO法人のフローレンス(東京・千代田)は障害児の長時間保育に対応する保育所を増設する。11月に、都内6カ所目となる「障害児保育園ヘレン」を練馬区内で開設。練馬区から中村橋区民センターの1階のスペースを提供してもらい、初期費用の助成も受けた。保育のほか、看護やリハビリのスタッフを配置し、定員は15人とする。

杉並区内ではNPO法人などが相次いで、放課後等デイサービスを開設した。区内にはフローレンスの保育所はあるが、小学生以上の医療的ケア児の放課後の受け入れ先がなかった。NPO法人かすみ草が5月に、社会福祉法人八成グループが6月にそれぞれ開設。放課後を自宅で過ごしがちだった障害児にとっては、地域や社会との接点が増えることにつながる。

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