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相談役・顧問は野に出よう(大機小機)

2018/6/18 16:17
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トヨタ自動車が合計61人いる名誉会長、相談役、顧問を9人に減らすと発表した。歴代社長の奥田碩相談役や渡辺捷昭顧問らも退任する。トヨタは今後、グループ各社にも同様の見直しを求めるという。

東芝の不正会計後、不透明な相談役・顧問制度への風当たりは強い。投資家は、経営介入はもとより、引退したはずの有力OBが社内にとどまること自体、現経営陣の足かせになりかねないと不安視する。

市場の声に押されて経済産業省は2017年、相談役と顧問の人数や役割、処遇を積極的に公開するよう産業界に促した。東京証券取引所も、コーポレート・ガバナンス(企業統治)報告書での情報開示を上場企業に迫った。トヨタの対応は後々、相談役と顧問を削減、廃止する流れを決定づけたと語られるだろう。

相談役・顧問制度は株式持ち合いや終身雇用、土地と株の含み依存などとともに戦後日本の経営を形づくった。だが経営のお目付け役や役員報酬の後払いといった役割や利点は、企業統治システムの整備に伴って薄れつつある。

そのうえで、相談役と顧問を削減、廃止する3つの意義を指摘したい。1つは、こうした人材が社外に活躍の場を求めれば、層の薄い日本の社外取締役マーケットに厚みが増す点。日本で圧倒的に少ないプロ経営者の人材供給源になりうるのが2つめの意義だ。

カルビーの松本晃会長兼最高経営責任者(CEO)は70歳で、RIZAPグループの最高執行責任者(COO)に転じる。「RIZAPに移ったらカルビーのことは一切忘れる」という。プロ経営者の変身力に多くの人がびっくりした。

人的資源管理論の権威である英経済学者リンダ・グラットン氏は、人生100年時代に人々が長く働いていくには個人の無形資産が重要になると説いている。その無形資産とは生産性を高め、活力を維持し、変身を続ける能力だという。

ビジネスの世界で功成り名遂げた人にこそ、次代の働き方のロールモデルを後進に示してほしい。その説得力が3番目の意義だ。

トヨタグループを去った有力OBらが、トヨタのライバル社やスタートアップ企業で活躍する日がいずれ来るだろう。日本の企業風土は大きく変わるに違いない。(茶柱)

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