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21歳トーレス、ア・リーグ新人王争いの最右翼
スポーツライター 杉浦大介

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2018/6/18 6:30
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ヤンキースで最大の有望株とみられていたルーキーが米大リーグ昇格後、いきなり大活躍している。ベネズエラ出身の二塁手、グレイバー・トーレスはまだ21歳。その若さに似合わぬ落ち着きでクラッチヒット(適時打)を連発し、地元ファンの大歓声を浴びてきた。大谷翔平の故障離脱でア・リーグ新人王候補の最右翼に浮上した新星は、このままスター街道を走るのか。

辛口の地元ファンも感嘆

4月22日にデビュー後、トーレスが短期間にもたらしたインパクトは辛口の地元ファンをも感嘆させている。

ここまで47試合で打率2割9分、13本塁打、34打点。特に5月は月間24試合で打率3割1分7厘、9本塁打と見事な成績を残し、ア・リーグの月間最優秀新人に選出された。本塁打は全ルーキーの中で1位というだけでなく、ア・リーグの二塁手の中でもトップの数字である。

「メジャーはマイナーと比べて投手の能力が高く、変化球の質もいい。様々な点でゲーム中のスピードが速い。心身両面で日々、その点に備えるようにしている。それができれば、自分らしいプレーができるはずだからね」

トーレス本人はマイナーとメジャーの違いをそう語るが、ここまで適応するために苦心しているように全くみえない。ヤンキースは4月21日から5月9日までの18試合で17勝と、圧倒的な強さを示す快進撃。その急上昇がトーレスの鮮烈デビューとほぼ同時に始まったのは偶然ではあるまい。

母国の英雄オマー・ビスケルが憧れだったというトーレスは2013年にカブスと契約。その後、16年にヤンキースが抑え投手のアロルディス・チャプマンを放出した際に交換要員として移籍してきた(チャプマンは17年にフリーエージェント=FA=でヤンキース復帰)。身長185センチという公式発表より小柄にみえ、昨季センセーションを巻き起こしたアーロン・ジャッジのような迫力は感じさせない。しかし、派手さはなくてもスイングも二塁の守備も実にスムーズ。欠点が少なくいわゆる「コンプリートプレーヤー(完成された選手)」である。

若さに似合わぬ落ち着き

「1つの抜きんでた武器があるわけではないが、多くをこなせる。若さに似合わぬ落ち着きでどんな場面でも仕事を果たしてくれる」

アーロン・ブーン監督の言葉通り試合終盤の勝負強さは驚異的で、すでに多くのハイライトシーンを演出してきた。

5月6日のインディアンス戦では九回に3ランを放ち、21歳144日でのサヨナラ本塁打でミッキー・マントル(21歳185日)が持っていたチーム最年少記録を更新。5月29日のアストロズ戦では延長十回にサヨナラ打を放つと、6月14日のレイズ戦でも今季13号の逆転3ラン本塁打を放って勝利に貢献した。打順は主に9番に座り、下位打線からクラッチヒットを量産している。

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