房総沖で「スロースリップ」 地震、当面続く恐れ
千葉県でマグニチュード(M)4.0以上の地震が6月に入って相次いでいる。房総半島沖で、プレート同士が地中の境界でゆっくり滑る現象「スロースリップ」が起き、地震を誘発しているのが原因とみられ、専門機関は「当面は滑りが続く可能性がある」として注意を呼び掛けている。
茨城県つくば市にある防災科学技術研究所(防災科研)によると、房総半島沖では2~7年間隔でスロースリップが起こる。陸側と海側のプレート境界が約1週間で10センチ程度ずれ、群発地震を誘発しているとされる。
今回のスロースリップは3日ごろから観測されるようになった。8日までは千葉県東方沖で発生し、その後は領域が動いて12日までは房総半島の南東部、13~14日には同県勝浦市周辺と、その沖合で起きた。発生場所はいずれもフィリピン海プレートの境界上という。
国土地理院が解析した結果、14日の段階で房総半島沖の滑りは最大で約9センチ。防災科研は12日午前5時9分に千葉県東方沖を震源に発生したM4.9の地震(最大震度3)、14日午後7時4分に同県南部で起きたM4.1の地震(同)は、ともにスロースリップが関係しているとみている。
16日午前11時9分ごろ同県南部を震源として発生したM4.5(最大震度4)の地震も調べる。〔共同〕