2019年5月27日(月)

日本貨物航空が全便停止 貨物事業者に懸念広がる

2018/6/16 23:00
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日本唯一の貨物専業航空会社の日本貨物航空は16日、同社が運航する航空機の整備記録に事実と異なる記載があることが発覚したため全便の運航を一時停止すると発表した。安全確保のため1週間程度は調査する方針で、半導体製造装置などの輸送に影響が出る恐れがある。これを受け、荷主から航空物流業務を仲介する事業者は振り替え輸送の検討を始めた。

運航停止で半導体関連などの輸送に影響が出そうだ(日本貨物航空の積み込み作業)

運航停止で半導体関連などの輸送に影響が出そうだ(日本貨物航空の積み込み作業)

日本貨物航空は日本郵船傘下で日本の航空貨物事業では全日本空輸に次ぐ2位。米ボーイングの大型貨物専用機を使い、旅客便では運べない半導体製造装置や精密機器、完成車などをアジアや北米、欧州の主要都市間を中心に運ぶ。成田空港発着で週に約60便運航している。

航空貨物は船便に比べ割高だが、物流時の品質管理がよく速く運べることから精密機器を中心に利用する企業が多い。最近では部品をアジアで作り、完成品の生産は米国などで手がける企業を中心に需要が増えている。

16日に成田空港を出発予定だった便から順次運航を停止した。振り替え輸送などの影響が出る貨物の規模はジャンボ機3機分、重量で300トン程度という。航空機の機械部品に補給した潤滑油の量に関する整備記録で事実と異なる記載があったためで、運航する11機全てで同様の事例がないか調査する。期間は1週間ほどを見込むが長期化する可能性もある。

日本貨物航空の運航停止を受け、航空物流を仲介する事業者は今後の貨物取り扱いについて、納期にゆとりがある貨物や輸送先が近い場合は船便への切り替えや、ほかの航空会社の貨物便へ振り分ける検討を始めた。

ただ「中国発の貨物機では積み荷の2~3週間待ちが常態化しており、代替便で全てを補うことは不可能」との声もある。日本通運は影響する荷物量などは調査中だが「無視できない程度の影響はある」という。

世界の航空貨物事業では米フェデックスやエミレーツ航空が規模で圧倒するが、日本でも航空貨物の需要は増えている。

日本貨物航空の航空機を巡っては、17年1月と18年3月に鳥との衝突などで損傷していたことが18年5月に発覚。損傷の規模が大きく国土交通省が航空事故と認定した。その後国交省は日本貨物航空に立ち入り検査を実施。検査を受けて詳細の調査を進めるなかで今回の整備記録の不備が判明した。

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