2019年6月25日(火)

神戸のパンダいなくなる? 中国側、貸与に難色

2018/6/16 11:36
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神戸市立王子動物園(同市灘区)から人気のジャイアントパンダがいなくなる可能性が浮上している。現在は阪神大震災の復興を願って2000年に借り受けた雌のタンタン(旦旦)がいるが、中国側が繁殖や研究の成果が乏しいと指摘。契約は20年に期限を迎え、別のパンダを含め貸与が難しい状態になっているという。市側は対応策の検討を始めた。

神戸市立王子動物園で飼育されているジャイアントパンダの「タンタン(旦旦)」(神戸市灘区)

「日本の他にもパンダを求めている機関がある。雄や赤ちゃんが死んだ王子動物園はやや不利だ」。神戸市議でつくる日中友好神戸市会議員連盟は5月、新たに雄のパンダの貸与を求めて中国・北京を訪問したが、面会した中国野生動物保護協会の幹部は厳しい認識を示したという。

市は阪神大震災で被災した子供らを元気づけようと中国側に要請し、00年にタンタンと雄のコウコウ(興興)を10年契約で借り受けた。雄の入れ替えを経てタンタンは2度妊娠したが、いずれも死産などに終わり、10年にはコウコウが急死。5年契約の2度にわたる延長で20年までは飼育が認められているが、上野動物園のように2世誕生の見込みはない。

協会幹部はこうした点を課題として挙げ、「繁殖や研究が期待通りに進んでいない」と指摘。契約が切れる1年前の19年6月ごろまでに王子動物園での飼育状況や研究成果の総括を求めた。神戸市との交流に謝意を示しつつ、「残り2年、高齢のタンタンをしっかり飼育してほしい」との趣旨を伝え、今後はパンダの貸与契約を結ぶのは難しいとの意向を示唆したという。

王子動物園の主役として多くの人を引きつけてきただけに、市側が受けた衝撃は大きい。年間100万人前後だった入園者数はパンダの公開が始まった00年度で198万人に急増。現在も全国の動物園で上位に入る110万人程度を維持し、上山裕之園長は「パンダ目当ての人は多く、園に欠かせない存在だ」と話す。

波紋は地元やファンにも広がる。約40年前から動物園前で営業する土産物店は店内の9割ほどがパンダ関連グッズ。店長の平井敦子さん(73)は「パンダがいなくなると売り上げは減ってしまう。店を続けるためにも残ってほしい」。愛知県内から訪れた幼稚園教諭の女性(24)は「子供のころからパンダが好き。見られる動物園が減るのは寂しい」と話した。

中国側の発言を受け、議連は15日、市の担当部局や動物園関係者を集めた報告会を開催。中国側の求めに応じて総括を提出する方針を確認した。今後も対応を協議するという。議連会長の平野昌司市議は「多くの人に愛されたパンダにこの先も神戸にいてもらえるよう方策を考えたい」と話している。

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