2018年11月16日(金)

7月に対中関税発動 米、500億ドル分の詳細公表

2018/6/15 22:48 (2018/6/16 0:54更新)
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は15日、中国の知的財産権侵害への制裁措置として、500億ドル(約5兆5千億円)分の中国製品に25%の追加関税を課すと発表した。まず7月6日に340億ドル分の制裁関税を発動し、残りの160億ドル分は時期を検討する。中国は米発表後すぐさま米国製品に同額の報復関税を課すと表明。二大経済大国が「貿易戦争」に突入するリスクが高まっている。

米国のトランプ大統領(右)と中国の習近平主席=AP

トランプ大統領は15日の声明で、中国が巨額補助金を拠出してハイテク産業を育成する「中国製造2025」計画を名指しで批判し「中国は不公正な手法で米国の知財や技術を得ており、もはや耐えられない」と主張。「中国が報復措置に動けば米国はさらなる追加関税の発動に踏み切るだろう」と圧力をかけた。

第1弾として7月6日に関税を発動する対象は産業ロボットや電子部品などハイテク製品を中心に818品目。4月時点では約1300品目に課すとしていたが、産業界などの反対があり、一部を除外した。

制裁関税対象の合計金額は、中国による知財侵害の被害額と同規模の500億ドルに設定。第2弾の160億ドル分の対象は、化学品や光ファイバーなど、中国が巨額の補助金を拠出する分野に絞った。最初の発動と合わせ約1100品目となる。

トランプ政権は中国の知的財産権の侵害を問題視し、大統領権限で制裁関税を発動できる「通商法301条」に基づいて2017年8月に調査を開始した。18年3月には「米企業が中国進出時に技術移転を強要されている」などと厳しく中国を批判し、制裁発動の最終調整に入っていた。

中国商務省は15日夜、「すぐに同じ規模、同じ強さの追加関税措置を出す」との声明を発表した。4月に公表した米国産の大豆、牛肉、航空機、自動車など106品目・500億ドル相当の商品に25%の関税を上乗せする報復案が軸になる。これまでの協議で米側に伝えていた米国産のエネルギーや農産物などの輸入拡大策も白紙に戻す。

ただ、7月6日の制裁開始まで約3週間ある。中国がもう一段の譲歩策を示せば、発動を回避する余地が残っている。

トランプ政権は日本や欧州、カナダなど同盟国にも鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を課しており、欧州連合(EU)やカナダは7月に報復関税を発動すると表明している。米中の貿易戦争だけでなく、欧州、カナダを巻き込んだ世界規模の貿易戦争に突入する懸念があり、世界経済の大きな下振れリスクになってきた。

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