2018年11月14日(水)

EV次世代電池、日本連合で技術開発 中国勢に対抗

科学&新技術
2018/6/15 19:30
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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は15日、トヨタ自動車パナソニックなどと高効率な次世代電池とされる「全固体電池」の基盤技術の開発を始めると発表した。2022年度までの技術確立を目指す。電気自動車(EV)に使うリチウムイオン電池では中国勢に追い抜かれた。「オールジャパン」で開発に取り組み、電池産業の復権を目指す。

 全固体電池の開発事業に参加するNEDOや自動車メーカーの担当者ら=15日午後、東京都文京区

既にNEDOは全固体電池の研究を素材メーカーを中心に進めていた。15日発足した新たなプロジェクトではトヨタや日産自動車ホンダなど自動車メーカーも加わり、総勢23社で活動する。EVへの搭載や量産も視野に入れた研究をする。

リチウムイオン電池は主要部材に液体の電解質を使うが、航続距離やコスト面での課題が多い。全固体は固体を使うため液漏れの心配がなく安全性が高まるほか、出力も高くなる。小型化しやすく設計の自由度も増す。

プロジェクトでは22年度までの活動を通じて全固体電池の基盤技術の確立を目指す。30年ごろには電池パックのコストを1キロワット時あたりで現在のリチウムイオン電池の3分の1となる1万円台とし、急速充電にかかる時間も3分の1の10分を目指す。

車載電池の開発では国をあげた体制づくりが重要。中国では政府の後押しを受けた電池メーカーが急成長を遂げている。調査会社のテクノ・システム・リサーチによれば車載用リチウムイオン電池の世界シェアで長らく首位だったパナソニックの世界シェアは14年の44%から18年見通しで16%に落ち込み、寧徳時代新能源科技(CATL)が首位だ。

一方、全固体電池は電解質の材料を世界に先駆けて開発するなど日本にまだ一日の長がある。NEDOの細井敬プロジェクトマネージャーも「全固体電池の特許の半数は日本が出願している」と強調。トヨタなどの参画を得て巻き返す構えだ。パナソニックの藤井映志資源・エネルギー研究所長は「電池メーカーとして全固体電池でも海外勢に絶対負けられない」と強調した。

開発のリード役になるのはトヨタだ。同社は全固体電池について、20年代前半の実用化を目指す。トヨタは全固体電池の特許出願件数で世界トップ。開発に携わる人員は300人前後と昨秋に比べて5割増とした。15日に会見したトヨタの電池材料技術・研究部の射場英紀担当部長は「大きなブレークスルーを得て、何が何でも実用化したい」と強調した。

豊富な資金と人材を抱える中国勢にどう先んじるか。半導体や液晶パネルなどで追い越された教訓を踏まえ、スピードをあげて開発を進めることが重要になる。

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