2018年7月22日(日)

米、対中強硬再び、制裁関税発表へ、発動時期を最終調整

トランプ政権
北米
2018/6/15 17:13
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 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領が貿易で中国に改めて強硬姿勢に出ている。中国の知的財産侵害に対する制裁関税の最終案を15日(米国時間)に発表する方針で、発動時期を最終調整している。米国が実際に関税を課せば、中国は報復関税を課す構えで、米中はいよいよ「貿易戦争」へと突入する恐れがある。

 トランプ氏は14日、ホワイトハウスで米通商代表部(USTR)など貿易政策に関わる省庁関係者を集めた会合を開いた。複数の米メディアによると、同氏は25%関税を上乗せする対象品目の最終リストを承認した。

 最終案はUSTRが4月に公表した原案をもとに、企業などの意見を取り入れて品目を入れ替える。原案は年500億ドル(約5兆5千億円)に相当する中国からの輸入品1300品目を並べた。

 最大の焦点は関税の発動時期だ。最終リストの全ての品目にただちに関税を課すか、交渉で譲歩を引き出す余地を残すために時期をずらして段階的に発動していく案が取り沙汰される。15日に発動時期を明示せず、当面見送る可能性もある。

 米中間の貿易協議は5月以降に計3回開いた。米政権は対中貿易赤字の2千億ドル削減や、ハイテク産業に補助金を重点的に振り向ける国家戦略「中国製造2025」の大幅な見直しを求めた。2回目の協議では中国が農産品やエネルギーの輸入を増やすことで合意し、ムニューシン財務長官は「貿易戦争を一時保留する」と宣言した。

 しかしトランプ氏は協議の進み具合に不満を表し、関税を発動すると29日に改めて表明した。中国は6月上旬の協議で年700億ドルの米国製品を買い増すと提案したが、関税を発動しないことを条件に突きつけている。

 中国外務省の耿爽副報道局長は15日の記者会見で「仮に米国が一方的で保護主義的な措置を取って中国の利益を侵害すれば、すぐに必要な措置を取り、自らの正当で合法な権益を断固守る」と強調。米国が追加関税を発動すれば報復措置を取ることを強く示唆した。

 中国は既に大豆やトウモロコシといった農産品などの輸入品に報復関税を課す案を発表済みだ。互いに関税をかけ合う事態になれば、交渉を通じた解決が一段と難しくなる恐れがある。

 米政権は中国以外とも貿易戦争の火種を抱えている。6月1日から欧州連合(EU)やカナダ、メキシコの鉄鋼やアルミニウムに関税を発動。EUやカナダは7月1日に報復関税を課す方向で準備を進めている。

 さらにトランプ氏は安全保障を理由に自動車に追加関税を課せないか検討に入った。車の対米輸出が多い日本やドイツ、メキシコなどは反発している。8~9日に開かれた主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)でも貿易を巡り、米国と他国との亀裂が鮮明になった。世界に貿易戦争が広がれば、堅調な世界経済の重荷となりかねない。

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