日本企業の6割「サイバー攻撃は事業継続のリスク」PwC調査

2018/6/15 17:06
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PwCコンサルティング(東京・千代田)などPwCグループ3社は15日、世界各国の経営層を対象にしたサイバーセキュリティー関連の調査の結果を発表した。日本の経営層の間ではサイバー攻撃が事業継続性(BCP)のリスクになるという認識が60%に達し、数年前より大幅に高まっていることが分かった。世界平均の49%と比較しても日本の経営者の意識は高いという。

事業継続のためにサイバーセキュリティー対策が必要という意識が日本企業の間で高まっている

サイバー攻撃がBCPのリスクになるという認識が高まった背景には、コンピューターのファイルを暗号化して操作不能にし、対価を要求する「ランサム(身代金)ウエア」が2017年に猛威を振るったことがある。

ランサムウエアの1つであるワナクライが同年5月に世界中に広まった際はIT(情報技術)システムや、ネットにつながる工場関連の設備が利用できなくなる例が目立った。

これによって「サイバー攻撃は機密情報の漏洩の被害にとどまらず、事業の継続を危うくすると経営者たちが気づいた」(PwCコンサルティングの山本直樹パートナー)。PwCグループが13年に実施したBCP関連の調査では、サイバー犯罪がBCPのリスクと想定する回答は11%にとどまっていたという。

もっとも、意識が高まったからといって対策ができているわけでない。サイバーセキュリティーに「自信がある」「やや自信がある」と回答した日本企業は38%。世界平均の74%の半分にとどまった。「自信を尋ねる質問への日本企業の回答は一般に低く出やすいが、その点を割り引いても大きな差だ」(山本パートナー)。

その原因として山本パートナーは、サイバーセキュリティー攻撃やその対策の情報が経営陣に伝わっていないためとみる。セキュリティー対策の投資額や同業他社との比較、サイバー攻撃の発生件数といった、経営層に理解しやすい情報を届ける仕組みが必要と指摘する。

調査の名称は「グローバル情報セキュリティ調査2018」。世界122カ国の最高経営責任者、最高情報責任者、最高情報セキュリティー責任者など9500人を対象に実施、日本企業は257人が回答した。(島津忠承)

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