2018年11月20日(火)

児童相談所 安倍首相、「抜本的な対策講じる」

2018/6/16 2:00
保存
共有
印刷
その他

安倍晋三首相は15日、東京都目黒区内で5歳の女児が死亡した児童虐待事件を受け、緊急対策を講じるよう関係閣僚に指示した。地域をまたいだ児童相談所(児相)間の情報共有の徹底や、適切な警察の介入などを検討する。1カ月をメドに緊急対策をとりまとめる方針。児童虐待事件は増加の一途をたどっており、政府・与党が一体となって取り組む。

首相官邸で15日に開いた関係閣僚会議で、首相は「痛ましい出来事を繰り返してはならない。政治の責任において抜本的な対策を講じる」と述べた。加藤勝信厚生労働相や菅義偉官房長官、小此木八郎国家公安委員長らに対策を指示した。15日に閣議決定した経済財政運営の基本方針(骨太の方針)にも児童虐待防止対策を盛り込んだ。

今後は各省庁間で、児相の体制強化や情報共有の徹底、虐待事件の早期発見などの取り組みを急ぐ方針だ。24時間態勢で子どもが発するSOSをどう覚知できるかが焦点となる。今回の事件では、児相間の連携不足が指摘されている。警察当局がどこまで児相と連携して防止策に乗り出すかも課題となる。

これに関連し、菅氏は記者会見で「児童相談所や市町村の職員の体制強化について、地方交付税措置も含めて、必要な対策を速やかに実施したい」と述べ、財政措置を講じる意向を示した。

自民党の「児童の養護と未来を考える議員連盟」も15日、今回の事件を受け、児相間の引き継ぎが適切に行われているか実態調査を求める決議文を加藤厚労相に提出した。同議連は13日、国会内で緊急会合を開き、実態調査に加え、児相に医師や弁護士などの専門職を配置したり、職員の専門性を強化したりすることを求める決議をまとめた。

議連会長の塩崎恭久前厚労相は、加藤氏に決議文を手渡す際「こういう事件が起きないための緊急的な決議だ。検討をお願いしたい」と求めた。

一方、東京都も児相の体制強化に乗り出した。小池百合子知事は13日に新宿区の都児童相談センターを急きょ視察。終了後に「全国どの児相も同じ問題を抱えていると思う。国で統一ルールを作っていただけたら」と述べ、都として厚生労働省に自治体間の情報共有の強化を求める「緊急要望」を提出した。

有識者でつくる都の児童福祉審議会の検証部会は5月、児相の対応などの調査を決定。今回の事件の前に女児が住んでいた香川県にも説明を求め、年度内に報告書をまとめる方針だ。

小池知事は15日の記者会見で「国の権限で制度を変更するなら、現場もそれに応じて変えていくのは当然のこと」と指摘。「国と連携しながら、各道府県とも情報共有の点なども含めてスピード感をもって進めていきたい」と強調した。

都の児相は、児童の保護や調査を担う専門職の児童福祉司は2018年度で273人配置されているが、19年度以降の児童福祉法の配置基準に達しておらず、増員が課題となっている。虐待対応件数は年々増えており、16年度は1万2494件と5年前の2.7倍に上る。小池知事は専門職を100人規模で増やして児相の体制を強化し、警察との連携のため情報提供の基準も見直す考えを表明している。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報