2018年11月15日(木)

民泊解禁、便利・安心追う 新法施行初日

2018/6/15 11:22 (2018/6/15 12:07更新)
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民泊のルールを定める住宅宿泊事業法(民泊新法)が15日に施行され、民泊が正式解禁された。コンビニエンスストアでは鍵の受け渡しなどのサービスが始まった。民泊は訪日外国人の受け皿として、日本に観光立国の道を開くと期待がかかる。ただルールが厳しいことから届け出は少数にとどまっており、期待と不安の幕開けとなった。

セブン―イレブン新宿東店(東京・新宿)は15日、民泊のチェックイン端末を導入した。宿泊客は端末のカメラでパスポートや顔の写真を撮り、タッチパネルで氏名や住所を入力すると、鍵を受け取れる。JTBと共同開発した。同店は「チェックインのついでに、商品を買ってもらいたい」と話す。

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解禁を商機につなげようと、企業は運営支援に乗り出す。ファミリーマートの新宿靖国通り店(東京・新宿)も同日、民泊物件の鍵を無人で受け渡す専用機を置いた。業務提携する米仲介大手のエアビーアンドビーで予約した民泊の利用者はチェックインを終えると、鍵を受け取れる。

民泊新法は自治体に届け出れば、年間180日を上限に原則、住宅などを有料で貸し出すことができると定めた。民泊はエアビーなどを通じて一気に広がった。宿泊施設不足の打開策となる一方で、犯罪の温床となるなどの懸念もあり、新法はルールを定めた上で、普及を進めるのが狙いだ。

東京都西部でアパートの一室を貸し出す40代男性は、掲示が義務付けられたステッカーを玄関に貼った。新法で必要な宿泊者名簿も用意し、分類が変わるごみについては処理業者と打ち合わせを重ねた。15日から米国人客が約2週間泊まる予定で、「手続きは大変だったが、日本の暮らしを知ってほしい」と話す。

多くの既存の民泊は新法に対応していなかったため、エアビーは6月に入り、許認可のない民泊施設を大量にサイトの掲載から削除。15日以降の予約も多数取り消すなど混乱が広がっている。

宿泊者と地域住民のトラブルなどを警戒する各自治体は、新法に上乗せで規制を定めている。京都市は条例で、住居専用地域の年間営業日数を最大60日に絞った。14日時点で民泊関連の問い合わせ件数は約2500件あったが、厳格な規制を背景に、届け出は46件、受理は22件にとどまる。

門川大作市長は15日朝、「違法民泊は根絶し、良質な宿泊施設を増やす」と話し、届け出の受理や違法民泊への対応を担う職員らを激励した。

石井啓一国土交通相も同日、「関係機関と緊密に連携して新法を適切に運用し、健全な民泊サービスの普及に全力を尽くしたい」と述べた。6月8日時点で新法に基づく届け出が2707件と低調なことについては「件数は継続的に増えていく」との見方を示した。

厚生労働省は摘発を担う警察との連携を呼びかける。悪質な業者がいた場合は、警察に取り締まりを要請するよう各自治体に通知。関係省庁を集めた連絡会議も開催しており、監視を強める。

国民生活センターによると、民泊に関連する相談件数は2017年度に271件で、2年前に比べて4倍以上増えた。料金など利用に関する相談のほか、騒音やごみの処理など近隣住民のトラブルに関するものが多いという。

厳しすぎる規制は新たに生まれる産業の芽を摘みかねない。広がるシェア経済の先駆けとして、社会に定着するかが試される。

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