2018年8月19日(日)

東京ディズニーシー 遅れてきた“女王” 海越えた競争激しく

サービス・食品
2018/6/14 23:20
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 オリエンタルランドは14日、東京ディズニーシー(千葉県浦安市、TDS)を拡張すると発表した。約2500億円を投じてTDS内に8つ目となる新エリアを設け、映画「アナと雪の女王」のアトラクションなどを建設する。アナ雪は2017年度以降の開設を計画していたが、香港やパリのディズニーリゾートに先行された。国境を越えた投資競争は激しくなっており、TDSは新エリアの作り込みに独自色を出し集客力を高める。

 同日開いた記者会見でオリエンタルランドの加賀見俊夫会長兼最高経営責任者(CEO)は「東京ディズニーリゾートは新たなステージに入る。世界でここにしかない特別なパークを作っていく」と力説した。

 今回の拡張は、約3400億円を投じて01年に開業したTDSに次ぐ大規模投資となる。新エリアには人気アニメ映画、アナ雪の世界観を体感できる施設に加え、ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」や「ピーター・パン」をテーマにした計4つのアトラクションを新設。複数の飲食・物販の施設も導入する。

 インバウンド(訪日外国人)客も満足できるよう最上位クラスの客室を有するホテルも新設する。拡張で敷地は2割広がる。新施設は22年度に一斉オープンさせる。

 アナ雪のアトラクションを巡っては15年に開設計画を発表したが、用地不足や米ウォルト・ディズニーグループとの交渉が長引き、棚上げされていた。遅れが響き香港やパリのディズニーリゾートでアナ雪の導入が先に決まった。

 TDS、東京ディズニーランド(TDL)は世界で唯一、米国のディズニー本体が直営していないパーク。オリエンタルランドがライセンス契約に基づき自前で所有、運営している。これまでも有力アトラクションを誘致してきたが、今回は大規模な拡張計画を打ち出し集客力を高める香港などに後れを取った。

 オリエンタルランドは現在、TDLとTDSで年間約3千万人を集める。ただ、来園者の混雑などから顧客満足度は低下。日本生産性本部によると、17年度の顧客満足度は36位と5年前の首位から転落している。

 会見で加賀見会長も「顧客の満足度は低下している」と認めたうえで、開設後、時間がたったアトラクションは「どうしても少しずつ飽きられる」ことを要因に挙げた。

 TDSは世界で唯一、海をテーマにしたディズニーパーク。これを目当てに訪日する外国人客も多く、拡張エリアへの期待が高まるのは必至だ。

 もっとも、アナ雪という有力コンテンツを手にしたとはいえ、目新しさに欠ければファンが他国のパークに流れかねない。香港やパリも同じアナ雪をテーマにアトラクションを作り込むなか、後発のTDSがどれだけ企画や設備の設計に知恵を絞れるかが問われる。

 中国・上海には16年にディズニーランドが開業。大規模な拡張工事を進める。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市、USJ)も新設アトラクションの投資に余念がない。

 テーマパーク大競争時代、老若男女問わず誰もが楽しめて訪れる度に新鮮な驚きが待っている施設を構えられるか。遅れてきた“女王”の腕の見せ所だ。

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