2018年6月26日(火)

都、税の偏在是正対抗へ有識者会議 国の動きけん制

経済
東京
2018/6/14 22:00
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 東京都は14日、税財政について話し合う有識者会議の初会合を開いた。都はこれまでの国の税制改正で約6兆円分の税収が減ったと主張、2019年度税制改正でも追加措置がとられると警戒する。今後始まる国の税制論議に向け、「大局観を持った本格的な議論」(小池百合子知事)を武器に対抗する。

税財源を巡り議論(都庁で開いた有識者会議、14日)

 「国家間競争のなかで東京がしっかりしていることが(日本の)背骨になる。その背骨が揺るがされるような状況になっている」。有識者会議「東京と日本の成長を考える検討会」の冒頭で小池知事はこう述べ、国の税制論議を強くけん制した。

 会議は知事が自ら発案した。税財政の専門家やジャーナリスト、経営者で構成。月1回のペースで開き、今秋にも意見を取りまとめる。

 背景にあるのは国が進める税財源の偏在是正の取り組みだ。法人事業税の見直しや地方消費税の清算基準の見直しなど、1989年以来の度重なる税制改正で累計6兆円の減収になったと都は試算する。

 さらに国は都の税収が過度に多く、地方に再配分して差を小さくすべきだとし、地方法人課税の仕組みを一部変えるとの考えを18年度税制改正大綱に盛り込んだ。

 危機感を強める都は、「東京が日本の成長を支えている」との主張で偏在是正の動きに対抗していく構えだ。産業を集積させ国の経済力を高めているほか、国際会議の開催や首都を支える都市インフラの整備などで国に貢献しているとの考えが根底にある。

 ジャーナリストの田原総一朗氏は会合で「『東京対地方』の構図ではなく、世界との競争の観点が重要」と訴えた。政府税制調査会の委員でもある一橋大学の佐藤主光教授は、都が置かれた状況を踏まえたうえで「競争力に資する税制をどう作るか」を考えるべきだと指摘する。

 一方、国は「東京都の成長は地方の協力があってこそ」との立場だ。総務省は5月に立ち上げた地方法人課税についての有識者会議で、埼玉、千葉、神奈川を含めた東京圏には年間10万人規模で人口が純流入し、15~24歳が8割を占めると説明。「東京の活力は地方からの若手人材の供給で成り立っている」とし、見返りとして地方への再配分が必要と訴える。

 年末の税制改正に向け、両者のつばぜり合いが本格化する。

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