2018年6月25日(月)

平城宮初のかまど跡か 女帝のシステムキッチン?

関西
社会
2018/6/14 19:02
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 奈良市の平城宮跡東院地区で、平城宮では初の加熱調理施設跡が見つかったと、奈良文化財研究所が14日発表した。かまどの可能性があるという。以前に発見された大型井戸や水洗い場の遺構とつながっており、奈良時代に皇太子の住居や天皇の離宮があったとされる東院内に“システムキッチン”のような施設群が存在したことが明らかになった。

平城宮跡東院地区で見つかった加熱調理施設跡(左側)。低い位置(右側)にある大型井戸の遺構と階段でつながっている(14日、奈良市)=共同

 今回の施設は8世紀半ばに2度即位し、東院で宴や儀式を催した孝謙(称徳)女帝の時期と考えられる。

 平城宮では、大極殿の北側で官人の給食を担った「大膳職」などの食膳施設があったとされるが、火で調理したことを示す遺構は見つかっていなかった。

 2017年の調査で見つかった大型井戸跡の東隣に石を敷き詰めた敷地があり、その中に東西約6メートル、南北約15メートルの掘っ立て柱建物跡のほか、土が焼けたり、炭がたまっていたりする痕跡を4カ所確認、加熱調理跡と判断した。敷地は井戸より高い位置にあり、階段でつながっていた。

 南側からも建物跡を検出、火を用いた痕跡が1カ所あった。井戸の西隣にある水洗い場跡を含め、一体的に利用した食膳施設の一部と考えられるという。

 水洗い場からは持ち運び式かまどなどの調理具が見つかっていたのに対し、今回の建物跡周辺からは食器類が大量に出土した。調査を担当した同研究所の海野聡研究員は「同じ厨でも場所ごとに機能を分けていた」と推定。南方には東院の中枢部とみられるエリアがあり「中枢部に食事を提供するまでにどんな工程があったのか全体像を明らかにしたい」と話した。

 現地説明会は17日午前11時~午後3時。小雨決行。〔共同〕

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