米産業界、インド系幹部が存在感 GM、新CFOに39歳女性

2018/6/14 17:44
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【シリコンバレー=白石武志】米産業界でインド出身経営者の存在感が高まっている。ゼネラル・モーターズ(GM)は13日、ディビア・スリヤデバラ副社長(39)が9月1日付で最高財務責任者(CFO)に昇格すると発表した。IT(情報技術)業界で広がったインド出身幹部起用の流れが、オールドエコノミーにも押し寄せてきた。

スリヤデバラ氏はインド・チェンナイのマドラス大学出身。投資銀行などを経て2005年にGMに入社し、17年の独子会社オペルの売却などで重要な役割を果たした。今年5月末に発表したソフトバンクとの自動運転分野における提携交渉にも深く関わるなど、GMが目指すモビリティ(移動)サービス事業者への転換を財務面でリードしてきた。

米国大手企業でインド出身経営者として注目されたのが、14年にマイクロソフトのCEOに就任したサティア・ナデラ氏(50)だ。携帯電話機事業からの撤退を決めるとともに、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」からクラウドへの事業転換を推進。巨大企業を再成長の軌道に乗せ、時価総額を約4年間で2.5倍超に増加させた。

15年には米グーグルが持ち株会社の発足にあわせ、中核事業会社となる新生グーグルのCEOにスンダー・ピチャイ氏(45)を指名した。ソフトバンクグループ元副社長で一時は孫正義社長(60)の後継候補とされたニケシュ・アローラ氏(50)は今年6月に情報セキュリティー会社パロアルトネットワークスのCEOに就任している。

インド出身の経営者の多くは、米国のビジネススクールで学んでいる。GMのスリヤデバラ氏はハーバード大学で、マイクロソフトのナデラ氏はシカゴ大学でそれぞれ経営学修士号(MBA)を取得している。柔軟な国際感覚と米国仕込みの合理的な思考力が、変革期にある企業の舵取りに求められているようだ。

多様な人材を成長の原動力にしている米国の産業界だが、トランプ政権下で逆風も吹いている。米移民局によると高度な専門技能を持つ外国人向けの査証(ビザ)「H1B」の申請は7割超をインド出身者が占めるが、トランプ政権は米国人の雇用に配慮して同ビザの審査を厳しくしており、IT業界からは反発の声が上がっている。

一方、米メディアはGMのスリヤデバラ氏のCFO就任について、GMとして初の女性のCFOになることに注目する報道が目立った。メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)とともに女性がけん引する経営体制を印象づけることになりそうだ。

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