2018年9月26日(水)

FRB、利上げペースなお迷い 貿易戦争がリスク

2018/6/14 7:18
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 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は13日、3カ月ぶりの利上げに踏み切り、先行きの引き締めペースの加速も示唆した。ただ、トランプ米政権が仕掛ける「貿易戦争」など世界景気には懸念材料もあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)内には今後の引き締めシナリオに迷いも残っている。

 「貿易政策による数字上の影響はみられないが、FOMC内にはその不安が高まっているとの声があった」。パウエルFRB議長は13日の記者会見で、鉄鋼輸入制限などトランプ政権の強硬的な通商政策に率直な懸念を示した。中国との貿易摩擦も強まっており、パウエル氏は「企業が雇用拡大や設備投資を先延ばししているとの話もある」と指摘した。

 FRBは13日のFOMCで2018年の利上げ回数を計4回と見込み、3月時点に予測した3回からペースを引き上げた。ただ、この数字はFOMC参加者15人の中央値。全参加者の政策シナリオを個別に並べると、利上げ予測に大きな変化はない。

 3月時点で18年の利上げ回数が計4回以上とみていたのは計7人。3回以下が8人だった。今回は年3回とみていた1人が年4回へと政策シナリオを変更し、中央値が年4回へと移動した。今回のFOMCでも年内の追加利上げを1回とみる参加者が5人、ゼロ回と主張するメンバーも2人おり、わずか1人の方針転換が「利上げ加速」につながった。

 18年の物価上昇率見通し(中央値)は3月時点の1.9%から2.1%へと引き上げられた。大型減税の効果で「家計支出や企業投資も力強く伸びている」(パウエル議長)という。にもかかわらずFOMCメンバーの利上げ見通しが大きく変化しなかったのは、貿易摩擦など景気不安が残っているためだ。

 もっとも、原油価格の上昇で物価の押し上げ圧力は強まっている。5月の消費者物価指数(CPI)は2.8%上昇し、約6年ぶりの高い伸びとなった。パウエル議長は記者会見で「物価上昇率が2%を超えても過剰反応しない」と話したが、米景気にはインフレ懸念もにじみ始めている。

 FRBの政策金利は節目の2%近辺に達した。パウエル体制は緩やかな利上げ路線を堅持しつつ、物価の上振れと「貿易戦争」という思わぬ景気下振れリスクの双方に目配りする必要がある。

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