2018年8月16日(木)

FRBが3カ月ぶり利上げ 年内さらに2回見込む

経済
北米
2018/6/14 3:04 (2018/6/14 7:14更新)
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 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3カ月ぶりの利上げを決めた。利上げ幅は0.25%。物価上昇率は目標の2%に到達しており、年内の追加利上げの回数は従来の1回から2回へと中心シナリオを引き上げた。FRBが利上げペースを加速すれば、長期金利の上昇やドルへの資金回帰で市場を揺さぶる可能性がある。

FRB連邦準備理事会

 FOMCは短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年1.50~1.75%から1.75~2.00%へと引き上げた。利上げは今年3月以来、3カ月ぶりで、正副議長ら投票メンバー8人全員が賛成した。会合後に記者会見したパウエル議長は「失業率は低水準で、米経済は極めてうまくいっている」と主張した。

 FOMCでは会合参加者(投票メンバー以外も含む15人)が金融政策見通しを提示し、年内2回の追加利上げが中央値となった。2018年の利上げ回数は計4回となる見込みで、今年3月時点に想定していた年3回から利上げペースが加速する。これまでの利上げ回数も15年、16年がそれぞれ1回、17年も年3回にとどまっていた。

 利上げペースを引き上げ始めたのは、物価上昇率が目標の2%に到達しためだ。FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は3月、4月とも上昇率が2.0%となった。FOMC参加者は18年10~12月期の物価上昇率が2.1%(中央値)と、目標を上回って推移するとみており、FRBは物価の過熱を防ぐ必要にも迫られている。

 失業率が18年ぶりの水準に改善するなど、米景気も底堅い。パウエル議長は「(大型減税などの)財政支出が景気を押し上げる」と指摘。市場には4~6月期の実質成長率が4%台の高い伸びになるとの見方もある。FOMC参加者の18年10~12月期の成長率予測(中央値)は2.8%と、潜在成長率(1.8)を上回る伸びが続くとみる。

 もっとも15年末に始まった引き締め局面は2年半に達しており、先行きは利上げの打ち止め観測も浮かんでいる。FOMCメンバーの中央値でみると、19年の想定利上げ回数は3回にとどまり、20年はわずか1回だ。FRB内には景気を過熱させず冷やしもしない「中立金利」が低下して、政策金利の上限が下がっているとの指摘がある。

 そのため、会合後に公表した声明文では「FF金利は当面の間、長期的に通常とみる水準を下回るだろう」とする文言を削除した。FOMCメンバーは長期的に適切な政策金利の水準を2.9%とみており、足元のペースで利上げが続けば19年半ばには同水準に到達するためだ。「金融政策は引き続き緩和的だ」とする文言は維持したが、FRBの政策スタンスは、目先の利上げ加速と中期的な引き締め停止の2つの相反する動きがある。

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