2018年8月22日(水)

人づくり革命、教育の無償化先行 19年10月から

政治
2018/6/13 19:50
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 政府は13日、人生100年時代構想会議を開き、安倍政権の看板政策である「人づくり革命」の内容を決めた。幼児教育・保育の無償化は2019年10月から始め、20年4月から低所得者を対象に大学の無償化を実施する。高齢者雇用の促進などにも取り組むが、抜本的な改革案までは描けていない。昨年の衆院選で公約した無償化を先行させる。

19年10月から幼児教育・保育の無償化を始める

19年10月から幼児教育・保育の無償化を始める

 政府は昨年9月に人生100年時代構想会議を立ち上げた。15日にも閣議決定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込む。教育無償化などの「人づくり」には、19年10月に予定する消費税率10%への引き上げによる税金の増収分から1.7兆円を充てる。昨年12月に無償化の大枠を決めており、今回は詳細な制度案が決まった。

 幼児教育・保育の無償化は当初計画から半年前倒し、19年10月から全面的に実施する。認可保育所や幼稚園に通う3~5歳児や住民税非課税世帯の0~2歳児の保育料は原則、無料になる。ベビーホテルやベビーシッターなどの認可外施設も市区町村に「保育が必要」との認定を受けた世帯を対象に月額3.7万円を上限に補助する。

 大学や専門学校などの高等教育は住民税非課税世帯の授業料や生活費を国費で支援する。夫婦子2人でそのうち1人が大学生の世帯の場合、年収300万円未満の世帯では住民税非課税世帯の3分の2の額、年収300万円から年収380万円未満の世帯では3分の1の額を支援する。

 国立大は授業料(年約53万円)と入学金(年約28万円)を免除する。私大の授業料は国立大の授業料に、全私大の平均授業料から国立大の授業料を差し引いた差額の2分の1を加算した額を支援する。私大の入学金は全私大の平均額を上限に支援する。

 安倍晋三首相は13日の会議で「経済社会システムの大改革に挑戦するのが人づくり革命だ」と意気込んだ。

 ただ、無償化が先行する一方、待機児童解消のための保育の受け皿整備は途上だ。保育料の支払いがなくなれば、これまで保育所や幼稚園に預けていなかった世帯も利用するようになり、さらに受け皿不足が深刻になる可能性もある。保育士が不足する課題も解消されていない。

 生産年齢人口が減少する中で、政府は高齢者の就労を促進する。65歳以上の継続雇用年齢の引き上げに向けて環境整備を進める方針を掲げたが、具体的な改革案は今後の宿題になった。

 社会人の学び直しでは、IT(情報技術)の技能向上などの講座を受ける人への助成金の給付率を4割に倍増するといった支援策を打ち出した。

 大学改革では、国公私立の枠を超えた再編の仕組みの創設などを検討する。約600の私大のうち、39%は定員割れしている。定員割れの大学に無償化対象の学生が通えば、延命措置になりかねないとの指摘がある。無償化に合わせた大学改革は急務だ。今後は文部科学省で議論する。

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