2018年6月25日(月)

日産向けのスタートアップ展示会、革新機構が企画

スタートアップ
2018/6/13 16:39
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 産業革新機構は13日、同社が投資するスタートアップの技術展示会を日産自動車横浜工場(横浜市)で開いた。参加したのは、革新機構などが厳選した7社。ものづくりの現場で技術を発表させ、産業界とのつながりや商談を加速させたい考えだ。

日産の関係者がスタートアップの技術を試した

光コムは複数の波長のレーザーを同時照射して細かい傷を見つける技術を披露した

 現場作業員の負担を減らすパワードスーツや鍛造部品の傷を探る人工知能(AI)システム――。工夫を凝らした技術が、横浜の海沿いの日産の自動車工場に並ぶ。

 革新機構が日産と連携して開いたスタートアップの技術展示会には、日産の横浜工場や栃木工場(栃木県上三川町)に務める関係者ら約300人がスタートアップの技術に見入った。

 革新機構が出資する東京工業大学発スタートアップの光コム(東京・千代田、福沢博志社長)と機構関係者が日産に営業に訪れた際に、日産幹部から「もっとスタートアップの技術が見たい」と要望があったことから実現したこの企画。機構側があらかじめ日産のものづくりの現場の改善点などをヒアリングし、対策を講じれる技術を持つスタートアップ7社を厳選した。「単独の企業向けの展示会は初めて」(革新機構広報担当者)という。

 「レーザー光を使った非接触の検査で1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル単位で細かい部品の傷も検知できる」と胸を張ったのは、光コムの野田直孝最高執行責任者(COO)。同社は2002年に興梠元伸会長らが設立した。

 一度に数十もの波長のレーザーを発するため、細かい傷も検知できるという。可視光カメラで傷を探した場合、立体構造だと奥まって見えないところも出てくる。光コムの技術では「細かいレーザーで隅々まで傷を探知できる」(野田COO)という。

 18年1月に社名を三次元メディアから社名を変更したKyoto Robotics(キョウトロボティクス、滋賀県草津市、徐剛社長)も異彩を放った。同社は00年に創業した立命館大学発スタートアップだ。中国出身で3次元認識の専門家である徐社長が始めた。

 ばらばらに積まれた部品をロボットアームが次々つかんで整理する。キョウトロボティクスが開発した3次元ロボットビジョンセンサーを活用している。2台の可視光カメラを使ったステレオカメラで部品を立体的に撮影し、輪郭を捉える。さらに別の光を当てて得た部品の座標情報と組み合わせて、部品の位置や傾きを正確に把握する。「深層学習(ディープラーニング)にも今後トライしたい」(武本祐樹主任)と話す。

 他にもAI開発スタートアップのエクサウィザーズ(東京・港)やアベジャ(東京・港)などが、開発する技術を説明した。革新機構は今後も展示会を企画して、産業界とスタートアップのつながりを促したい考えだ。(矢野摂士)

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