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ビッグデータを狙え SOMPOなど企業連携組織

ビッグデータの活用を目指し、業種や企業の枠を超えて連携する取り組みが広がっている。SOMPOホールディングス(HD)はスタートアップや異業種企業と連携し、データを利用して新規事業を創出するための組織を設立した。三菱地所富士通や東京大学などと組み、ビッグデータを街づくりに生かす。「ビッグデータ活用時代」をにらみ、大企業やスタートアップ、自治体、大学などの横の連携が始まっている。

SOMPOHDは13日、「SOMPO D-STUDIO(Dスタジオ)」の設立を発表した。業種を超えてビッグデータを保有する企業や行政機関、スタートアップ、ベンチャーキャピタル(VC)、フリーランスの技術者などが集い、新事業を創出する基盤を目指す。楢崎浩一グループCDO(最高デジタル責任者)は「ベンチャーと大企業の間の壁を壊し、とがった人材が集う場にしたい」と語った。

事業創造を目指すのは「モビリティ」「ヘルスケア」「スマートホーム・スマートシティ」の3分野。ビッグデータを活用して仮説を立て、技術者やデザイナーが検証、SOMPOHDやVCからの投資で事業化につなげる。まず、NTT東日本や国内外のスタートアップなど約20の企業やVC、データサイエンティストが参加。今後も参加者を幅広く募る。

ビッグデータとは電子的に処理できる大量のデータを指す。様々な業種でビッグデータを分析し、マーケティングや商品開発、インフラ整備、業務改善などに生かす取り組みが増えている。あらゆるものをネットにつなぐ「IoT」によって収集できるデータ量が今後爆発的に増えることが予想される。収集したデータの人工知能(AI)による分析力も日々進化している。

三菱地所と富士通、ソフトバンク、東京大学も5月、業種を超えたデータ活用で新たな街づくりを目指す実証実験を始めた。東京・丸の内エリアで、三菱地所が保有するビルの設備稼働データや商業施設関連データとソフトバンクグループの保有する人の流れに関するデータを活用。富士通のブロックチェーン(分散型台帳)技術を使ったデータ流通基盤で共有し、東京大学大学院工学系研究科の大沢幸生研究室の手法を取り入れながら、ソフトバンクが中心になって各社の協力を得ながら分析する枠組みだ。

異業種との取り組みで面白いのは、一見関係なく見えるデータ同士の組み合わせから新たな価値を生み出すことができる点だ。三菱地所らの事例では例えばオフィスビルの電力使用量データとビル周辺の人の流れのデータを組み合わせて分析し、販促施策に生かすことなどを検討している。

分析を担うデータサイエンティスト人材は不足している。日立製作所アステラス製薬NTTドコモ日本航空ヤマトホールディングスなど大手企業9社は4月、東京大学や慶応義塾大学など5大学と協力してデータサイエンティストを育成する組織「サーキュラーエコノミー推進機構」を設立した。ここでも企業の枠を超えた産学連携が始まっている。

ビッグデータ活用を巡っては、個人情報保護とのバランスの面で課題も残る。政府は官民データ活用推進基本法の制定や改正個人情報保護法の全面施行など法整備を進めている。個人情報に配慮しながらも、増大するビッグデータをどのようにビジネスや公共サービスに活用していくか。企業や大学、政府が知恵を寄せ合う連携が今後も進みそうだ。

(佐藤史佳)

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