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ネットで日台連携探る VBの祭典、台北で海外初開催

【台北=伊原健作】スタートアップの祭典として知られる「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット」(IVS)が6月上旬に台湾・台北で開かれた。海外では初開催で、内向きという課題を抱える日本のスタートアップの「世界志向」を後押しする。日台は製造分野で緊密な関係を築いてきたが、ネットなどで新たな連携を生み出す取り組みが始まった。

ローンチパッドはベンチャーの登竜門とされる看板プログラム(8日、台北市)

8日朝、台北市内のホテルでベンチャーの登竜門とされるIVSの事業コンテスト「ローンチパッド」が開かれた。「IVSは最近洗練されすぎ。カオス(混沌)が必要だ」。審査員を務めたディー・エヌ・エー共同創業者でエンジェル投資家の川田尚吾氏はこう発言。英語と中国語、日本語が飛び交う混沌とした現場の雰囲気に「非常に期待している」と述べた。

イノベックスには388社が参加した(7日、台北市)

ローンチパッドには事前審査などを経て日台から各7社が出場。「アニマロジー」(東京・港)は人間の相性や行動・思考パターンをもとに人材を動物に見立てて分析し、組織運営に役立てるサービスを紹介。台湾側は電動スクーターのシェアリングサービス「WeMo」などが登壇した。

優勝したのはスマートフォン(スマホ)アプリを開発する台湾の「ReCactus」。多様な動画コンテンツと、これを見て楽しむユーザーの表情などのリアクションを録画し、同時に共有する新感覚のサービスだ。

今回のIVSでは日台ベンチャーの交流活動も行われた。日本の電機大手が生産を台湾企業に委託するなど、日台の産業は緊密な関係を築いてきた。「ネット分野で新しい日台連携の形をつくりたい」。主催したインフィニティ・ベンチャー・パートナーズの田中章雄共同代表パートナーは開催に先立ちこう語った。

人口が約2350万人と市場規模が小さい台湾ではスタートアップも創業当初から世界を見据える。一方、一定規模の市場がある日本のスタートアップは国内での成功を優先するあまり、世界展開では出遅れがちだ。田中氏は「台湾のスタートアップは日本市場への関心も高く、協力のチャンスは多い」とみる。

IVSと時を同じくして、台北ではもうひとつのベンチャーの祭典が開かれた。アジア最大級のIT(情報技術)見本市「台北国際電脳展」(コンピューテックス台北)の一環で、2016年にスタートしたベンチャー特化型イベント「イノベックス」だ。今回は21カ国・地域から過去最多の388社(昨年は約270社)が参加するなど年々規模が拡大している。

ただ、日本の存在感はいまひとつ。「事業コンテストの決勝に日本勢が1社も出られなかったのは残念。世界のベンチャーのエコシステムで存在感を示し切れていない」。審査員を務めたデロイトトーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬・事業統括本部長はこう話す。

斎藤氏よると、台湾のスタートアップはITのハードを生かす事業が目立ち、特にスマートホーム関連では日本のデベロッパーなどと十分協力が可能だ。英語でのアピールにたけている点も印象的だったという。

「日本にも優れたスタートアップは多いが、世界一を本気で目指す志向が十分ではない。来年のイノベックスではより多くの日本勢の参加を促したい」。産業だけでなく歴史・文化でも深いつながりをもつ日台。世界展開に向け新たな連携を生み出せるだろうか。

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