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トルコ、横断パイプライン部分開通 カスピ海ガス、ロシア迂回し欧州へ

【イスタンブール=佐野彰洋】カスピ海産の天然ガスをロシアを経由せずに欧州へ運ぶパイプライン「TANAP」が部分開通し、12日トルコ西部エスキシェヒルで完成式典が開かれた。エルドアン大統領は自らの長期政権の「政治と経済の安定」が計画の早期実現につながったと強調した。

トルコでは24日に大統領選と国会総選挙が迫る。式典のタイミングには国際的なインフラ事業を推進する自らの指導力を有権者に印象付けようとのエルドアン氏の思惑もにじんだ。

式典にはガスの供給源であるアゼルバイジャンのアリエフ大統領やウクライナのポロシェンコ大統領らも出席した。

完成したのはトルコを東西に横断するパイプライン「TANAP」(1850キロメートル)のうちジョージア国境からエスキシェヒルまでの区間。19年中に残るギリシャ国境までの工事を完了させる。

アナトリア通信によると、TANAPの総事業費は約80億ドル(8800億円)。輸送能力は年160億立方メートルで、うち60億立方メートルがトルコ、100億立方メートルが欧州向けとなる。将来の増強も見込む。

欧州連合(EU)はTANAPやこれと接続する「TAP」(建設中、ギリシャ―イタリア)を天然ガスのロシア依存引き下げに役立つとして重視する。

しかし、トルコは16年夏のクーデター未遂事件以降、政権の強権化が進み、人権状況の悪化などを巡ってEUとの関係も緊張している。加えて、トルコとロシアは黒海経由でロシア産ガスをトルコや欧州に運ぶパイプライン「トルコストリーム」の建設を推進している。

エネルギーの「輸送ハブ」としての地位を固めたいトルコはTANAPを使い、将来はイランやトルクメニスタン、東地中海産のガスも欧州に輸出したい考えだ。ただ、キプロス和平の停滞や対イスラエル関係の悪化によって、東地中海産ガスを取り込む目算は立っていないのが実情だ。

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