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日本サッカー世界への挑戦

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W杯ロシア大会の歴史的位置づけを考える
サッカージャーナリスト 大住良之

(3/3ページ)
2018/6/14 6:30
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さて、日本のサッカーにとってロシア大会はどのような歴史的位置づけとなるのだろうか。

日本サッカー協会は大会の2カ月前にバヒド・ハリルホジッチ監督を解任し、技術委員長だった西野新監督にワールドカップを託した。しかし現状の戦力から見て、1次リーグを突破するのは至難の業だ。何かの幸運を期待したいが、「幸運頼み」の時点で日本の戦力不足を認めていることになる。

勝てなければ、日本のサッカーは空前の「不況」に陥る恐れがある。今秋、日本代表は国内で6つの親善試合を予定しているが、どの試合も空席が目立つようになるだろう。放映権料収入が激減し、日本サッカー協会の財政は非常に苦しくなるに違いない。それぞれのホームタウンのサポーターをベースとするJリーグが急激に落ち込むことはないだろうが、影響は避けられない。

しかし、その責任が西野監督にあるわけではない。ハリルホジッチ前監督でもない。

才能ある若手はいても、10年代前半の香川(左)らのような存在には至っていない=沢井慎也撮影

才能ある若手はいても、10年代前半の香川(左)らのような存在には至っていない=沢井慎也撮影

最大の要因は本田圭佑、香川真司ら過去10年間日本のサッカーを支えてきた「世界に通用する選手」が長友佑都以外にいなくなったことにある。才能ある若手は出てきていても、10年代前半の本田や香川のような、必ず期待に応えてくれる、あるいは期待を超越した活躍をみせてくれる存在には至っていない。誰が監督でも、18年時点の日本代表をワールドカップで勝てるチームに仕立て上げるのは至難の業だろう。たとえ幸運が重なって1次リーグを勝ち上がることができたとしても、この現実から目をそらすことはできない。

「育成」の見直し欠かせず

そうした状況を抜け出し、再び活気のあるものにするキーワードは一つしかない。「育成」だ。

これまで、日本サッカー協会もJリーグも選手の育成に大きな力を注いできた。しかしそこから出てきたのは、全体的にレベルは上がっても強烈な個性に欠けるステレオタイプの選手ばかり。少なくともこの10年間、本田や香川に匹敵する個性は出ていない。

18年ロシア大会は日本にとって苦く、思い出したくない記憶になるかもしれない。しかし10年後、20年後に「あの悔しさがあったからこそ育成を一から見直し、国際的なタレントが次々と出るようになったいまがある」と言えるようにしなければならないと思う。

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