2019年3月22日(金)

首都圏、長期不在の空き家74万戸 国交省白書

2018/6/12 0:30
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国土交通省が発表した2018年版の首都圏白書で、長期不在の空き家が首都圏にも74万戸あることが分かった。市街地が拡散するなかで人口密度が薄まり、10年で43%増えた。空き家でポツポツと穴が開いて都市機能を維持できなくなる「スポンジ化」と警告。都心の30キロメートルより外側で顕著だとして対策を急ぐように促している。

埼玉県本庄市は所有者が空き家を解体すれば活用方法が見つかるまで最長5年、簡易的な公園にして管理を代行する

首都圏整備法に基づき1都3県と北関東3県、山梨県の現状を白書にまとめた。

長期不在の空き家とは別荘や賃貸、売却の目的がないにもかかわらず、人が3カ月以上住んでいない状態の住宅をさす。全国に318万戸あり、首都圏は2割を占める。地域別に10年間の伸び率をみると東京都は8%増だが、神奈川・埼玉・千葉の近隣3県は51%増、北関東3県・山梨の周辺4県は64%増と全国平均(50%増)より増加ペースが速い。

人口が減る地方だけでなく首都圏でも空き家が増える背景には市街地の拡散があるという。消費者の新築志向もあり中古物件を放置して新たな開発が進み続けた。首都圏の住宅数は2134万戸と10年で300万戸弱増えた。世帯数は1873万戸と250万戸弱の増加にとどまったため、供給過剰が続いて空き家の増加につながっている。

長期不在の空き家が住宅総数に占める割合は首都圏全体では3.5%だが、市区町村別にみると郊外は深刻だ。都心の30キロ以内はほとんどが2~4%未満だが、それより外では4~6%以上が目立つようになり、千葉や埼玉にも8%以上の市区町村があるという。比率が高まるほど民間サービスの縮小・撤退、行政サービス・インフラの維持管理の非効率化を招く。

一部の自治体は対策に動いており、神奈川県海老名市は空き家の見守りをしながら賃貸や売却を成約した不動産事業者に報奨金を出す制度を設けた。埼玉県本庄市も所有者が空き家を解体すれば活用方法が見つかるまで5年間は市が簡易な公園にして管理し、固定資産税も免除する制度を始めた。

白書は自治体に先行事例を参考にするよう求めた。「既に発生したスポンジ化への対処のほか顕在化していない地域での予防的な措置をあわせて都市計画上の課題として対策を喫緊に講じる必要がある」と呼びかけている。

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