2018年10月23日(火)

死刑・拘置の執行停止を維持 袴田事件で東京高裁

2018/6/11 19:55
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11日の東京高裁の決定は、袴田巌元被告の再審開始を認めた静岡地裁の決定を取り消す一方、死刑や拘置の執行停止を維持した。当面、死刑囚の釈放という異例の状態が続く見通し。82歳という年齢に加え、「持病で身体拘束に耐えられない」と弁護側が主張する健康状態に一定の配慮を示した形だ。

2014年3月の静岡地裁決定は袴田元被告の再審開始を認めたうえで、死刑の執行に加えて拘置についても「これ以上継続することは耐えがたいほど正義に反する」と指摘。死刑囚の再審開始決定では初めて身柄が釈放された。

刑事訴訟法は「再審開始決定したときは刑の執行を停止することができる」とだけ定めている。拘置が刑に含まれるかどうかについては法律家の間でも見解が分かれているが、静岡地裁の判断は執行手続きの一環として刑に含まれるとの立場だった。

高裁決定は「(再審開始決定の取り消しにより)一般的には身柄の解放を継続する必要性は弱まる」としながらも、「元被告の年齢や生活状況、健康状態等に照らすと逃走のおそれが高まるなどの現実的危険性は乏しい」と指摘。身柄の釈放を継続する判断を示した。

元被告の弁護団は最高裁に特別抗告する方針を明らかにしており、再審開始の可否が最高裁で確定するまで、身柄の扱いの決着も持ち越される見通しだ。

かつては「開かずの扉」と呼ばれた再審制度だが、精度が向上したDNA型鑑定の結果などに基づいて再審無罪判決も出ている。

ただ、戦後、死刑確定後に再審開始決定が出たのは今回の事件を含め免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件、名張毒ぶどう酒事件の6例にとどまる。名張毒ぶどう酒事件では再審開始決定がその後取り消されており、依然として再審への扉は重いといえる。

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