サービス開発、スタートアップ流で ドコモが新手法

2018/6/12 11:30
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NTTドコモが法人営業と研究開発(R&D)が一体になった新しい商品開発の取り組みを進めている。顧客も巻き込んだ少数精鋭で商品やサービスを素早く開発する。次世代通信規格「5G」では、企業の顧客とのサービス協創がテーマになっており、この取り組みはドコモの5G成功の試金石になりそうだ。

ドコモの法人オフィス内にあるトップガン部隊専用スペース(東京・港)

新たな取り組みは「トップガン」と名付けている。1プロジェクト当たり5~10人の少数精鋭チームだ。東京都港区のドコモの法人営業のオフィスには、R&D、法人営業担当者、さらには地方支社の法人営業担当者といった混在メンバーがいつでも集まれるように、トップガン部隊専用のスペースを用意している。

参考にしたのはスタートアップのビジネス開発モデルだ。R&Dで開発した最新の技術を別のサービス開発部隊が商材開発していてはスピード感でスタートアップにかなわない。R&Dの担当者も顧客の現場に足を運ぶことで、直接フィードバックを得られ技術の改良ができ、商材開発までのサイクルを早められる。

トップガンプロジェクトは昨年10月に開始。6月時点で既に9つのプロジェクトが立ち上がっている。早いケースでは半年程度で法人顧客との実証に取り組むケースもあるという。ソリューションサービス部の三ケ尻哲也部長は「R&Dが開発した技術を顧客と法人営業部隊が一体となって検証。短期間で全国に広げられる商材を開発する取り組みだ」とトップガンの狙いを語る。

トップガンで開発するテーマは、省電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy(BLE)」を用いて空港のカート位置を検知し再配置を効率化する取り組みや、段ボールを用いたプログラミング可能な安価なロボット教材など多岐にわたる。既に商用化のめどがついた取り組みも出てきた。三ケ尻部長は「2018年度末までにプロジェクトの数を18程度まで増やしたい」と話す。

ドコモの取り組みは、5Gに向けた新たなサービス開発の前哨戦とも言えそうだ。5Gの実効速度は現行の100倍と高速で、通信の遅れもほとんど発生しない。動画など大容量コンテンツの閲覧にとどまらず、高速・低遅延という特長を生かした新たなサービスを顧客企業と協力して生み出せるかが今後のポイントになる。三ケ尻部長は「トップガンは5G時代に向けた現場のニーズを発掘する取り組みになる」と話す。

(企業報道部 堀越功)

[日経産業新聞6月12日付]

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