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大谷故障、リリースポイントに見えていた兆候
スポーツライター 丹羽政善

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2018/6/11 6:30
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 大谷翔平の右肘の張りの原因は、内側側副靱帯損傷だった。

 3週間はノースロー。その後、再検査をするというが、場合によっては、いわゆるトミー・ジョン手術(側副靱帯再建術)を必要とする重症である。そのことがエンゼルスから発表された8日、全米で大きく報じられたのも、ことの大きさを物語っている。

 兆候はあった。

 5月30日のタイガース戦。リリースポイントが、これまでとは異なる変化を見せていた。図1は、その30日のリリースポイントの高さを示したものだ。

試合を通して徐々に低く

 今回はフォーシーム、いわゆる直球に絞って話を進めるが、これを見るとリリースポイントは10球目にかけて大きく下がっているのがわかる。その差約9センチ。その後、なぜか19球目に大きく下がった後、しばらく5.95フィート(約181.3センチ)前後で推移する。次の変化は30球目前後。再びそこから下がり始め、最後の球は5.80フィート(176.8センチ)で、この日一番低かった。

 リリースポイントそのものは、大谷の場合、頻繁に上下する。つまりばらつきがあり、決して再現性は高くない。ただ今回、改めて大谷が先発した全試合を確認したが、1試合を通して徐々に下がっていく、という傾向が見られたのは、このときが初めてだった。

 無論、これだけでは何かを判断することはできない。

 問題は、どう下がったか、である。

 それを知るには、さらに2つのデータを併せて確認する必要がある。1つはエクステンション(ピッチャープレートの中央からリリースポイントまでの距離を測ったもの)で、長ければ長いほど打者寄りで投げていることになる。これが仮に、リリースポイントの高さに連動して長くなっているなら、ボールを前で離そうとしている結果、低くなったと考えられる。

 それであれば特に問題はないと思うが、5月30日のエクステンションを調べた結果、リリースポイントの高さとの明確な連動は見られなかった。

 ということは、リリースポイントが三塁側にずれたことで、下がった可能性がある。そうであれば要注意だが、データを調べてみると、まさにそういう結果だった。

 図2の縦軸はピッチャープレートの真ん中から、どれだけリリースポイントが三塁側なのか、その距離を示したもの。改めて図1と比較すると、リリースポイントが下がるのに伴って、三塁側へずれていることが分かる。試合序盤と比べれば、最終的には0.5フィート(約15.2センチ)ほど差があった。

 つまり、リリースポイントが低くなったのは、三塁側にずれたからだった。

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