2018年6月23日(土)

英無関税継続、EU側が疑念 国境問題で交渉停滞

Brexit
ヨーロッパ
2018/6/9 9:10
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 【ブリュッセル=森本学】英国の欧州連合(EU)離脱を巡って、EU側のバルニエ首席交渉官は8日、英政府が7日に示した離脱後のアイルランドとの国境問題に関する新提案は「答えよりもより多くの疑問を提起した」と語った。英国がEU離脱後も関税同盟に残り、無関税を継続しようとすることで、欧州統合の「いいとこどり」を狙っているとの警戒がにじむ。離脱交渉を停滞させている国境問題は打開の道筋がなお描けていない。

EUのバルニエ首席交渉官(8日、ブリュッセルのEU本部)=ロイター

EUのバルニエ首席交渉官(8日、ブリュッセルのEU本部)=ロイター

 アイルランド国境問題は10月までの決着を目指す離脱交渉の最大の難関となっている。離脱後は英・北アイルランドとEU加盟国のアイルランドの国境が復活する。英・EUは関税や厳格な国境管理を復活させない方針で合意済みだが、具体策が見つかっていない。

 英は新提案で、激変緩和措置である移行期間が2020年末に終了した後もアイルランドとの国境問題が解決できない場合、英国とEUの間で無関税の協定を結ぶべきだと主張。最長21年末まで英国を関税同盟に残すよう求めた。一方、EUは英国全体でなく北アイルランドだけをEU関税同盟に残すよう提案している。

 バルニエ氏は8日の記者会見で、英提案を「精査中」としつつも、関税同盟に残す対象を「英国全体に拡大することはできない」と明言。英国がEU離脱で域内移民の移動の自由などEU加盟国の義務を逃れつつ、関税同盟などの恩恵を受け続ける「いいとこどり」につながるとの懸念を表明した。

 バルニエ氏は11日、英側の交渉トップを務めるデービスEU離脱担当相とブリュッセルで会談して同問題の対応を協議する。6月28~29日に迫ったEU首脳会議までに具体的な進展を示せなければ、10月を目指す交渉決着の不透明感が一段と深まりそうだ。

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